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2月7日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 552字|2005.2.7|社会 (society)|ハロハロ ]

 華僑の世界を初めて本格的に取材している。結論を先に記すと、急成長を続ける中国経済は東南アジア地域の華人ネットワークをますます強固にし、比社会は中国本土を核とする「大中華圏」への隷属度を高めるだろう。地縁、血縁、勤勉を絶対的価値とし、国境を越えたコミュニティを形成してきた華僑は、巨大市場・中国の出現で資金調達、経営ノウハウでの協力関係を一層確かにしている。

 取材への対応ぶりでも比人社会との能力差をまざまざとみせつけた。マニラ市ビノンドにある全国比華人商工会議所連合会の会頭に五業種の代表的ビジネスマンの紹介を申し込むと、一週間以内で会頭秘書室は実に視野が広く、有能な実業家らとの面談を可能にしてくれた。片や、マカティ市にある比商工会議所は一カ月半たってもまだ一人の比人実業家も紹介できない。会頭秘書らの怠慢ぶりは目を覆わんばかりである。

 東アジアで華僑の経済支配を免れているのは日本と韓国だけ。東南アジア諸国連合(ASEAN)との自由貿易協定(FTA)締結で中国に完全に出遅れた日本政府の焦りが手を取るように分かってきた。中国・ASEANのFTAは極論すれば「大中華圏」の南への膨張である。比人華僑は地縁、血縁を活用し本土と一体化しつつある。比の政界を巧みに操りながら・・。(康)

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