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10月11日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 541字|2004.10.11|社会 (society)|ハロハロ ]

 連日紙面をにぎわす国軍少将らの汚職事件で、一九九〇年代半ばに有力世論調査機関が実施した「フィリピン官庁の汚職度調査」の結果を思い出した。比国民に「最も腐敗した政府機関」と名指しされたのが国軍と国家警察だった。疑惑の渦中にある前予算・資金管理担当、ガルシア国軍参謀次長には米国内で百四十万ドルもの不正蓄財をした疑惑が浮上している。

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 昨年度のこの国の国防予算は約四百三十億ペソである。米ドル換算すると十億ドルにも達しない。上層部はこの乏しい資金を組織ぐるみで食い物にしながら、十数万の現役兵士の給与と装備を賄ってきたようだ。昨年七月にマカティ市中枢部で反乱未遂事件を起こし、上層部の底なしの腐敗を糾弾した国軍の若手将兵らの怒りと憤りが今さらながら胸に迫ってくる。

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 汚職の横行が当然視されながら、行政監察院が初めて前予算管理責任者を停職処分に踏み切った。それではこれまでなぜメスが入らなかったのかと首を傾げたくなる。各種統計でフィリピンの軍備を近隣の東南アジア諸国のそれと比較すると、紛れもなく最低クラス。この「軍備なき軍隊」ともいうべき惨状を放置して得をするのは米国であろう。「親米のとりで」は永久に自分に依存させておかねばならないのだから。 (康)

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