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10月11日のまにら新聞から

「夫人の貢献」生かせ

[ 670字|2004.10.11|社会 (society)|新聞論調 ]

国軍少将の不正蓄財疑惑

 不正蓄財疑惑で停職処分を受けたガルシア国軍少将のクラリタ夫人によると、少将は「恩恵を施してくれる人」に謝意を表さなかったことは一度もなかったという。「後日連絡を取り、感謝の言葉を伝えるため、相手の名前と電話番号を必ず控えていた」とも言う。

 夫人にとって、少将は自分に恩恵を与えてくれる人だった。夫人が米税関に提出した宣誓供述書によると、「将官の妻としてさまざまな特権を与えられていた。一カ月一万六千リットル分のガソリン代と警護班、運転手五人。ピアノ演奏のできる料理人もいる」。さらに「夫の海外出張に同行する時は一万︱二万ドルの旅費や買い物資金をもらった。飛行機はファーストクラス」という。

 ガルシア少将は、愛人に与えてもおかしくない特権をクラリタ夫人にだけ与えていた。少将のような夫を持って夫人は幸せ者だ。

 しかし、国軍将兵の中には、クラリタ夫人の境遇をうらやむ妻に責め立てられている人もいるだろう。「出張同行は禁止と言ったでしょう。この恥知らず、少将夫人を見てよ。明日、ファーストクラスで欧州旅行へ出掛ける。帰ってくるまでに高級外車と大邸宅を用意しておいてよ」と。

 国軍将兵の家庭に波風を立たせた夫人の言葉にウソはないだろう。なぜなら、米税関に摘発された息子の所持していた十万ドルを取り返すため、十万ドルを手にした本当の事情を説明しようとしただけだからだ。

 夫人は国軍将官たちの「真の姿」を明らかにした。疑惑を捜査している行政監察院は夫人の貢献を生かすためにも、ガルシア少将を一人で刑務所へ送ってはならない。(8日・トゥデー)

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