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6月25日のまにら新聞から

リサールを読む

[ 663字|2001.6.25|社会 (society)|新聞論調 ]

国際社会でも研究広がる

 マレーシアでフィリピンの英雄ホセ・リサールの著書「ノリ・メ・タンヘレ(われに触るな)」、「エル・フィリブステリスモ(暴虐の支配)」がマレー語で翻訳出版された。インドネシアでも同様の動きが出ている。

 マレー文化圏でリサール研究は着実に広がっている。マレーシア政府は一九九五年、リサールの人生、著作に関する国際会議を開催した。

 ジャカルタでも翌九六年、フィリピン革命を研究する国際会議が開かれ、席上、インドネシアの著名な詩人がリサールの詩を自国の言語で読み上げ、フィリピン人出席者の心を打った。

 アロヨ大統領がリサールのこの二著作を北京語に翻訳することを提案したことは喜ばしい。十二億人に上る中国人たちに、リサールを通じてフィリピンに触れる機会を提供できるからだ。

 だが、国内の大学では、図書館にリサールの著作がなく、学生からの苦情が相次いでいる。高等教育委員会は大学でのリサール関連著書の蔵書を義務付けたリサール法(共和国法第一四七五号)を徹底遵守させる義務がある。

 同法は五六年に制定され、二つの著書の原作に修正を加えず教え、大学でのリサール研究をカリキュラムに必修科目として組み込むことを定めている。

 リサールはマレー人として初めてのルネサンスの心を持つ人物だった。祖国のために命を捨てたフィリピン人の誇りだ。そして、国際社会がフィリピン人への尊敬の念を持つようになった功績も残した。

 建国の父としてだけでなく、彫刻、漫画などの分野でも活躍した優れた芸術家だった。リサールを学ぶことは歴史、人生を知ることだ。

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