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1月13日のまにら新聞から

独外相が大統領表敬訪問 PCGとの関係強化へ

[ 846字|2024.1.13|政治 (politics) ]

ベアボック独外相が比を訪問し、11日にマルコス大統領やマナロ外相らと会談。3月には大統領が独含む欧州各国を歴訪へ

11日に比沿岸警備隊本部を訪問したベアボック独外相=比沿岸警備隊のフェイスブックより

 マルコス大統領は11日、ドイツのアナレーナ・ベアボック外務大臣による表敬訪問を受けた。ドイツの外相が比を訪れるのは10数年ぶりで、大統領はベアボック氏のフィリピン訪問に感謝の意を表明するとともに、今年3月にドイツをはじめ欧州諸国を訪問する計画も明らかにした。

 大統領は「現時点で3月12日にドイツ訪問を調整している」と述べた。また、「ドイツ訪問後にはさまざまな分野で関係を強化し、ドイツの存在もわれわれにとってより必要なものになるだろう」と協力関係を発展させる意向を示した。

 2022年の二国間の貿易総額は39億1000万ドル(輸出額22億8000万ドル、輸入額16億3000万ドル)で、ドイツは比の12番目の貿易相手国。22年12月現在で、3万6135人の比人がドイツに居住しているという。

 比とドイツの国交は1954年10月8日に樹立されており、今年でちょうど70周年を迎える。

 ▽「南シナ海の緊張は欧州の懸念」

 ベアボック外相は11日、マナロ比外相とも会談し、南シナ海(西フィリピン海)の領有権を巡り比中間で高まっている緊張は欧州諸国の懸念事項であることを伝えた。

 ヘアボック氏は「中国海警局が比補給船に対してレーザー放射や放水砲を発射するなどここ数カ月で衝突が多発しており、何千キロ離れていても、欧州諸国のわれわれにとって大きな懸念事項だ」と表明した。また国連海洋法条約(UNCLOS)が「明確な言葉で語っている」と指摘し、16年の国際仲裁判決で中国の主張が同条約の対象外であることは「明白だ」と続けた。一方で「世界はこれ以上の紛争を求めていない。平和裏に対立を解消することに向けたメカニズムの構築が重要だ」と強調した。

 独外相は同日に比沿岸警備隊(PCG)のガバン長官とも会談し、ドローン開発や対海賊訓練、人的交流において協力を強化することで一致した。ドイツは22年にドローン2機を比に寄贈しており、PCG航空隊の訓練に使用されている。(沼田康平)

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