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1月10日のまにら新聞から

台風ヨランダ(30号)

[ 1054字|2014.1.10|気象 災害 (nature)|ビサヤ地方台風災害 ]

被災地復興に関する閣議が招集され、防災面を重視した学校校舎再建など報告

 政府は9日、台風ヨランダ(30号)の被災地復興に関する閣議を開き、関係閣僚が各分野の進行状況を説明した。特に、防災面を重視した学校の校舎再建と高潮で壊滅的被害を受けたレイテ州タクロバン空港の再整備については、防災計画の観点から現地調査を行った国際協力機構(JICA)の提案に沿って進めることが報告された。

 閣議は午前10時ごろから約3時間、マラカニアン宮殿で開かれた。被災地復興担当のラクソン大統領顧問やロハス内務自治、シンソン公共事業、パヘ環境天然資源、オナ厚生、アバヤ運輸通信各長官らが出席した。

 犠牲者の埋葬、身元確認やがれき処理、公共施設と交通インフラ再建などに加えて、新たな防災マップの作成、ヨランダと同程度の台風上陸を想定したシミュレーション研究の進ちょく状況が議題となった。

 JICAの提案に沿って進められる校舎再建については、シンソン長官が「被害を受けた832校の校舎は既に取り壊され、防災面を重視した校舎の再建に着手できる状況にある。(設計など)校舎案は1月末までに固まる見通し」と説明した。

 コロマ大統領府報道班長によると、被災者向け共同仮設住宅の建設費水増し疑惑は、「現段階では疑惑でしかない」として議題から外れた。

 政府が12月中旬に概要を公表した復興・再建計画は、2017年までの4カ年で総額3610億ペソを投じる内容。内訳は、住宅建設と住民移転が1833億ペソで、防災、減災面を重視する。その他は、産業とサービス706億ペソ、教育と厚生374億ペソ、公共インフラ284億ペソ、農漁業187億ペソ、社会保障184億ペソ、役所など公共施設再建40億ペソ。

 閣議で報告された主な内容は以下の通り。

 【防災対策】ヨランダと同等の台風上陸を想定したシミュレーション結果と全国18水系の洪水調査結果を1月末までに大統領に提出予定。海岸から40メートル以内を「建設禁止地区」に指定する、ヨランダ被災地の防災マップを新たに作成中。

 【公共施設再建】総額40億ペソで役所や公設市場、公民館を再建する。

 【遺体の埋葬・身元確認】タクロバン市では2249人の遺体を収容し、うち448体は身元などを確認した上で墓地に埋葬済み。仮埋葬地の残り1801体は身元確認作業を継続する。

 【タクロバン市周辺のがれき処理】迅速な再建、公衆衛生面からも処理を速やかに進める必要がある。破砕機30台を現地に送るほか、首都圏開発局(MMDA)の処理班再派遣を検討する。(酒井善彦)

気象 災害 (nature)