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11月16日のまにら新聞から

台風ヨランダ(30号)

[ 1134字|2013.11.16|気象 災害 (nature)|ビサヤ地方台風災害 ]

死者数、前日発表から1274人増え計3631人に。行方不明者も一気に1100人増加

 15日午後8時現在の国家災害対策本部発表によると、台風ヨランダ(30号)の死者数は、前日発表から一気に1274人増えて、計3631人に達した。行方不明、負傷者もそれぞれ前日の79人から1179人へ、3804人から1万2487人へ増えた。一部地域の詳しい状況は、被災8日目の15日も分かっておらず、死亡・不明が計5千人を超える恐れが出てきた。

 人的被害の「急増」を受け、これまでの被害数の過小発表を指摘する声が出そうだが、バルテ大統領報道官補は15日午後の記者会見で「被害数を隠したり、ごまかすようなことはしていない。被害者の身元特定などは、過去の災害と同じ手続きで進めている」と説明した。

 14日午後6時現在の発表分から死者数が急増したのは、ビサヤ地方レイテ、東サマール両州。レイテは1785人から3017人へ、東サマールは172人から221人へ増えた。レイテ州の内訳は、タクロバン市は696人と前日から変わらなかったが、オルモック市など17市町分が計1089人から2321人へ急増した。

 サマール州は前日の200人から190人へ減少したが、この死者数はバセイ町分だけ。他の自治体では、死者が出なかったのか、政府が被害を把握できていないのかは不明。

 レイテ、東サマール両州は、行方不明者数も前日の25人から1059人、36人から65人へそれぞれ増えた。レイテ州の急増は、タナウアン町の「1千人」が新たに加算されたためだが、この数字も概数とみられる。サマール州の行方不明者も、前日の「発表対象外」から39人となった。死者数と同様、39人はバセイ町分だけで、今後増える可能性がある。

 負傷者の総数も、レイテ、東サマール、サマール各州分の急増を受けて、前日から9千人近く増えた。3州の内訳は、レイテ8950人(前日2962人)、東サマール3013人(605人)、サマール200人(前日は発表対象外)。

 一方、被災者の総数は、44州の196万3千世帯、907万3千人。避難者は39万8千世帯、187万1千人。

 台風ヨランダがビサヤ地方を横断した8日以降、国家災害対策本部は1日1〜2回の割合で、死者数などを発表してきた。

 死者数は、横断当日の8日発表が3人。以後は9日138人、10日229人、11日1774人、12日1798人、13日2344人、14日2357人、15日3631人。

 死者数を巡っては、被災数日後、レイテ州の警察幹部が「死者1万人以上」と発言し、12日に、アキノ大統領が「1万人は多すぎる。2千〜2500人だろう」と警察幹部の発言を修正した。しかし、この大統領の推計も、15日の同本部発表により再修正された。(酒井善彦)

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