中央選挙管理委員会のガルシア委員長はこのほど、上院議員3人とブラカン州の地方選立候補者の4人に対する調査を実施していることを明らかにした。4人は2022年統一選挙においてオムニバス選挙法で禁止されている政府機関と契約を結んでいる業者から寄附を受け取った可能性があるという。議員らの氏名は明らかにしていないが、全国の洪水制御事業に関する汚職疑惑が取り沙汰されている中、洪水制御などのインフラ事業を巡って政府機関と契約を結んでいる建設請負業者と政治家との癒着が選挙期間中の寄附・献金を通じても行われている可能性も強く、今回のガルシア氏の発表が注目されている。22日付英字紙スターが報じた。
ガルシア委員長は21日、メディアのインタビューに対し、「先週話題となった特定の人物だけでなく、その他の人物にも焦点を当てるべきだ」と答え、すべの統一選の立候補者について調査を進めていることを強調している。ただし、その特定の人物とは最近、マルコス大統領が全国のすべての洪水制御事業の総額5450億ペソのうち20%分をわずか15社が受注していることを報告した中に含まれているセンターウェイ・コンストラクション&ディベロップメントのローレンス・ルビアノ社長から3000万ペソの寄附を受け取ったとされるエスクデロ上院議長を示唆している。
エスクデロ上院議長は最近、自身が「ルビアノ氏の友人たちの一人だ」と認めているが、ソルソゴン州の州知事を務めていた2019~22年までの間に同社が洪水制御事業を受注するのを仲介・支援したことはないと疑惑を否定した。
しかし、ガルシア委員長によると、エスクデロ氏が22年の上院選に立候補した際に提出した選挙関連寄附・支出報告書にはルビアノ氏が個人の寄付者として3000万ペソを寄附したと報告されているが、オムニバス選挙法では政府機関から公共事業を請け負っている業者からの寄附は禁止されており、ルビアノ氏を個人とみなすか、会社関係者とみなすかの解釈の問題などが浮上しており、今後、議論が高まる可能性もありそうだ。
エスクデロ氏は19日、自身がセンターウェイ・コンストラクションの洪水制御事業受注に便宜を図ったことはないと改めて否定すると同時に、「同社のビコール地域における洪水制御事業の受注額は54億ペソに過ぎず、大統領府が報告した洪水制御事業総額のうち0・998%を占めるに過ぎない」として問題に当たらないと強調した。また、同社と自身の癒着を印象付けるための「破壊工作だ」とし、大統領府やメディア報道などを批判している。(澤田公伸)