首都圏マカティ市アルナイス通り沿いにあるモールの駐車場で26日夜、フィリピン人ビジネスマン(40)の乗った自動車に中国人2人が銃撃した。2人は駆けつけた警察が逮捕し、被害者にけがはなかった。犯人らは短機関銃「H&K MP5」1丁、グロック40口径拳銃1丁のほか、軍用ナイフ1本、バタフライナイフ1本、ハンマー1本などを所持していた。首都圏警察マカティ署のアルティスタ広報担当によると、同市内での外国人による発砲事件は、今年初めて。
マカティ署などによると、同日午後9時ごろ、比人男性(40)が自家用車に乗り込んだとき、帽子で顔を隠した犯人が近づき、車に向かって4発発砲した。弾は同車の左後部座席の窓に2発、助手席のドアに1発、右ドアに1発当たったが、男性には当たらなかった。
同署は夜9時13分ごろに通報を受け、第3、第5分署の捜査員、特殊部隊(SWAT)、白バイ隊が5分以内に現場に急行した。同時に、近くで警ら活動を行っていた別の警官らが、現場近くに駐車していた緑色の車に乗って逃げようとした通称リクアン容疑者(44)と同シュンジュン容疑者(36)を、現行犯逮捕した。
警察は両容疑者を殺人未遂および包括的銃器弾薬規制法違反の容疑で立件するとしている。両容疑者に対しては、銃器違法取引グループや違法オンラインカジノ(POGO)とのつながりも視野に捜査を進めている。
動機について警察は「まだ分かっておらず、捜査を続けている」とした。また、犯人が使用した車両は前後に別々のナンバープレートを掲げており、警察は陸運局(LTO)と連携して登録情報の特定を進めている。(竹下友章)