Logo

03 日 マニラ

29°C24°C
両替レート
¥10,000=P3,920
$100=P5,830

03 日 マニラ

29°C24°C
両替レート
¥10,000=P3,920
$100=P5,830

早すぎる幕引き 「処刑団」聴聞会

2017/3/12 社会

 ドゥテルテ大統領の責任を追及できなかった上院委員会の姿勢には首をかしげざるを得ない。国家警察ダバオ市本部元警官のラスカニャス氏を召喚しての聴聞会はわずか1回で終了した。

 ラスカニャス氏はドゥテルテ市政時代に暗躍していたとされる「ダバオ市処刑団」の自称元メンバーだ。上院委員会のラクソン委員長は、ラスカニャス氏の殺害に関する証言は信ぴょう性がないと判断し、政治的思惑が見え隠れしていたことからも重視しなかった。

 ラスカニャス氏は「大統領は、長年にわたって月々10万ペソの報酬をくれた。最後にもらったのは今年1月だった」と発言した。何の思惑があって市長時代から毎月それほどの報酬が支払われたのか。特に大統領就任後の7カ月にわたって続いていた疑惑は見逃してはならない。

 もちろん証言の全てを真に受ける必要もないが、処刑団と大統領との結び付きを解明する何らかの糸口はつかめたはずだ。しかしながら上院委員会は「追及の価値がない」と判断した。

 委員会はそもそも、ラスカニャス氏と大統領との緊密な関係を立証するつもりではなかったのか。もし市長時代から20年以上関係が続いたのであれば、大統領に関する情報をラスカニャス氏からもっと引き出すべきだったのだ。

 ラスカニャス氏は殺害に関与していたと認め、その内実をつまびらかにしようとした。委員会はそれにも耳を傾けようとしなかった。大半の上院議員は「誰がその証言を裏付けるのか」と疑義を呈したが、上院で昨年証言した処刑団元メンバーのマトバト氏も実在する上、大統領自身も記者団の取材に対し、殺害に関与したことを認めたではないか。聴聞会を続行していれば実体をさらに浮き彫りにできたはずだ。(10日・インクワイアラー)

おすすめ記事

「中国のような衝突起こさず」 2人死亡報道でPCG長官

2025/10/3 社会 有料
有料

日本メディアも受賞 比沿岸警備隊の表彰

2025/10/3 社会 有料
有料

水中ドローンを回収 センサーに中国語表記、パラワン州

2025/10/3 社会 有料
有料

団体と新日系人を取り巻く課題 マリガヤハウスのJFC支援(後)

2025/10/2 社会 有料
有料

東京メトロが車両機器を譲渡 鉄道人財育成でFEATI大学に

2025/10/2 社会 有料
有料

内山安雄のフィリピン&アジア取材ノート第211回 とんでもないホテル

2025/10/2 社会 有料
有料