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ハロハロ

2015/8/10 社会

 多くの日本人は第二次大戦後、あのいまわしい戦争の記憶を振り切るのと同時に「国家」という概念も唾棄したらしい。安保関連法案をめぐる論議や報道を見ているとそんな気がしてくる。問題は近年、中国が勝手に境界線を引いたりして南、東シナ海域で拡張主義を進行させている事態をどう考えるかだろう。政府のプレゼンテーションがお粗末なせいもあって、新たに起きている情勢に「国家」としていかに対峙(たいじ)するか、そういう方向に向かわず、国内法との関連など内向きの議論に終始して先が見えない。

 軍国少年として育てられた身からすると、あんな時代はもうごめんこうむりたい。戦争体験こそないが、防空壕で艦載機の襲撃を何度もしのいだ。終戦後の2学期は教科書に墨を塗るのに忙しかった。映画「瀬戸内少年野球団」に描かれた通りだ。墨を塗って葬り去ったのは「皇国」(天皇主権の国家)だったはずなのに、ついでに「国家」も思考停止にしたらしい。国家、すなわち全体主義=戦争と結びついた過去の図式のせいで、思考の回路からはじき出されているような感じがする。

 フィリピンは何事につけいい加減な国だと思ってきたが、この問題に関しては国際司法機関に提訴するなど決然たる態度だ。状況に対する緊迫感が日本とは違うにしても、対米協力を強化し、自らの国家としての立場は明確にしている。結果、中国大使館へデモ隊が押し掛けたりする。日本では、デモは国会や首相官邸へ向かう。思考の軸がずれているように思える。指導者の力量の差だけではなさそうだ。(紀)

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