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ハロハロ

2014/5/5 社会

 30年来の米国の友人クライド・ウィルマンさんを昨夏、ヨセミテに訪ねた。広大な山並みに囲まれた草原の一角でやっと探しあてたら数年前に亡くなっていた。東部ペンシルベニア州生まれで、空母ハンコックに乗り組み、佐世保の生活もあるベトナム帰還兵だった。カリフォルニアに移り住み、ジェームスタウンという地図にも載ってないような西部の小さな町で、掘り当てた金の塊を売ってゴールドラッシュ時代のような暮らしをしていた。

 「米市民の暮らし」を紹介する通年企画シリーズの取材をきっかけに意気投合し、ロサンゼルスから長距離ドライブしながら訪ねていく交友が続き、旅行の時は訪ねていた。西部劇の白黒映画に出てきそうなジェームスタウンの酒場の両開きの扉を開け、カウンターで「クラシック○○」と地元で呼ばれていたテキーラ割りを飲み交わしたこと。ロデオのある店にバッファローステーキを食べに連れて行ってくれたこと。馬にえさをやったこと。クライドさんが座ってよく飲んでいた酒場のカウンターに座り、白髪の経営者から彼の晩年を聞きながら当時の思い出が走馬燈のように頭を駆け巡った。「ウソの言えない男だった」と聞いたとき、どこか救われた気がした。しかし、1年近くたってもつらくなった。米国はアジアや中東で戦争を繰り返す。深い心の傷を引きずって生きるハリウッドが描く従軍帰還兵。それは、あの国の社会に確かに存在する断面なのだと。

 マニラの取材で親しくなった米国人にこの話しをした。「アメリカにはマウンテンマンという人々がいる。アラスカやモンタナで人里離れて暮らす男たちのことで、ひとつの生き方なんだ」。クライドさんもそうだったのかと少し納得した気がしている。(実)

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