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ハロハロ

2011/5/16 社会

 「這(は)っても黒豆」︱︱。黒い虫を「黒豆だ」と言いはり、動き出しても、自説を曲げない強情さを意味することわざだが、これを知ったのは30余年前、恥ずかしいことに藤沢の拙宅に遊びにきていたオーストラリア人の留学生、モニカさんから聞いたからだ。彼女は当時、国学院大学に在学中で、週末は拙宅で過ごすことが多かった。この国に居を移してからも、シンガポールからの帰途、度々立ち寄ってくれる。そのモニカさんから4月15日、複数の人に送ったらしい英文のEメールが私のパソコンにも入った。

 「私は明日の夜、日本へ行きます。行き先は先の津波で大きな被害を受けた岩手県にある大船渡という海沿いの町です」。Eメールはこんな書き出しで、海外の援助隊員と地元の人たちとの間の日本語の通訳と被災住宅地の後片付けが役目で、米・ボストンに本部がある救援組織の一員として参加すると記されていた。高校時代を岐阜で過ごし、大学時代は民俗学者、柳田国男に関心を持つ「大の日本好き」だが、すでに50代半ばを過ぎている。それが自費のボランティアとして東日本大震災の被災地に行くという。家族同様の間柄だが、日本のために自己を犠牲にする行動に頭の下がる思いがした。

 「私が大船渡市にいる間『塵(ちり)も積もれば山となる』という表現を何度も言いました。自分は塵の一粒に過ぎませんが、みんなで頑張れば何とかなります」(原文のまま)。5月8日に届いた帰国報告の書き出し。電源がないので、パソコンは持参せず、多忙になる前に書いたという英文の日記が添えられていた。どれも、被災地にいないと書けない内容だが、「塵も積もれば……」で始まる日本文を読みながら、ことわざ好きなモニカさんを思い出して、心なごんだ。(濱)

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