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「間違ったリーダー選んだ」 最終集会でマルコス氏猛批判

2025/5/10 政治
(上)候補者と手をつなぎ振り上げるサラ副大統領(中央)=首都圏マニラ市で午後9時半ごろ、竹下友章撮影。(下)投票を呼びかけるドゥテルテ氏の末娘キティさん=首都圏マニラ市で午後7時ごろ、竹下友章撮影

サラ副大統領が父が率いるPDPラバンの最終集会に登場。公認候補のほかに、アイミー氏への投票を明言

サラ副大統領は8日夜、父・ドゥテルテ前大統領が名誉党首を務めるPDPラバンによる首都圏で最後の選挙集会に姿を表し、マルコス現大統領への激しい批判を展開するとともに、同党公認の「ドゥテルテ派」10人への投票を呼びかけた。また、マルコス大統領の姉で、上院外務委員会でドゥテルテ氏の逮捕の違法性を厳しく追及したアイミー・マルコス氏、カミール・ビリヤール下院議員についても「私は投票する」と明言した。

 ▽あたかも「弔い合戦」

 最後の選挙運動会場となったのは、以前ドゥテルテ氏の帰国を求めるデモが開かれた首都圏マニラ市のボニファシオ広場。マニラ郵便局前に設けられた特設ステージでは、午後5時から9時半まで、ドゥテルテ派政党リストの代表者や上院立候補者によるスピーチのほか、司会によるトークショー、ダンスグループによるパフォーマンス、バンド演奏などが上演された。ドゥテルテ氏に続き逮捕されるとの憶測も出るロナルド・デラロサ候補=現職、前大統領期に国家警察長官経験=もスピーチ前に美声を披露。ステージの大スクリーンにはドゥテルテ氏の肉声や当局に連行される際の写真が繰り返し使われ、あたかも「弔い合戦」のような演出が随所に織り交ぜられた。首都圏警察マニラ本部によると、午後7時時点で推計2000人が集まった。

 午後7時すぎには、サラ氏の異母姉妹のキティ・ドゥテルテさんも喪服のような黒の衣装で登壇。キティさんはドゥテルテ氏逮捕前夜について、「父が連れ去られる前日、私は父の横で寝ていた。『おとうさん、これから何が起きるの』と父に聞くと、『何も起こらないよ』と心配かけまいとして言ういつもの言葉をかけてくれた」と振り返り、「父を愛している。父の戦いは私の戦い。父は投票権を行使し、賢明な選択をすべきだと言った。ドゥテルテに勝利させてほしい」と呼びかけた。

 ▽ドゥテルテ家への「組織的破壊活動」

 午後9時ごろ、大歓声に歓迎され「トリ」として登場したサラ氏は黒のTシャツ姿。「この壇上にふさわしいのは私ではなく、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領だ。私は国を愛し将来を憂う一有権者としてここに立つ」と語りかけ、「ここ数カ月間、私と家族は泥沼に引きずり込まれてきた。しかし、この国の問題は私でもドゥテルテ家でもない。われわれが目撃しているのは、国内で最も強力な既得権益層を敵に回してでもフィリピン第一主義を貫いた『政敵』(ドゥテルテ家)への、組織的な破壊活動だ」とマルコス陣営への批判を開始。

 「われわれは国民の本当の状況を理解できない人物をリーダーに選んでしまった。その代償を今払っている」「この国は公の場で麻薬の毛髪検査を受けることを拒絶し続け、コメの販売価格をキロ20ペソにするといううそをついた人物に率いられている」などとサラ氏が立て続けにマルコス大統領を批判すると、それに呼応して会場からマルコス氏非難の声が上がった。

 またサラ氏は、前大統領が始めた大規模インフラ推進政策「ビルド(建設)・ビルド・ビルド」や、国民皆保険制度などを挙げ、「この選挙はこの国の将来を左右する。改革を続けるか、貧苦に苦しみ続けるかが決まる。父が始めた仕事を続けるためにわれわれに投票してほしい」と訴えた。

 マルコス大統領夫妻への「条件付き殺害予告」発言や機密費問題で選挙後に弾劾裁判が開かれることが決まっているサラ氏にとって、弾劾裁判の裁判官を務める上院議員に一人でも多くの親ドゥテルテ派を送り込むことは至上命令。次期大統領最有力と言われ続けた自身の政治生命を左右する、負けられない戦いとなっている。(竹下友章)

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