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3月1日のまにら新聞から

有限である水を大切に 乾期を前に

[ 649字|2020.3.1|社会 (society)|新聞論調 ]

 「誕生日ソングを2回歌う間、1回20秒ぐらいかけて、こまめに手を洗いなさい」。新型肺炎との闘いには、手洗いやうがいに大量の水がいる。

 再び夏が近づいてきた。長らく雨がない時期が続き、今度は本格的な干ばつの季節の容赦ない到来だ。首都圏に水を供給するアンガットダムの水量は着実に低下している。

 首都圏などに水を送るマニラウオーター、マイニラッド両社は利用者に節水を呼び掛ける。国家水資源委員会(NWRB)は新たな水源を探す代わりに、それが仕事だと言わんばかりに、節水を口酸っぱく繰り返している。昨年3カ月にわたって経験した水不足の苦境から、今年は何が変化したというのか。

 特別に消費した覚えもないのに、2月の水道代は前月から15%高くなった。流量が減っても、水が出る限りはさほど気にならないが、この間にも地表や海水の温度は上昇し、流氷が溶解している事実の方に危機感を覚える。人口も増え続け、教育の有無に関係なく、無責任で不注意な消費活動が間断なく続いていく。

 ホテルのマネジャーは、最後の使用者がトイレ使用後に、まとめて掃除するように教えてはどうか。レストランのオーナーは要望のない限り、水の補給はしないで良いのではないか。自らは席に着いて、ぬるま湯を注文するが、その前に水が自動的に到着するのをいつも無駄ではないか、と思っていた。

 新型肺炎に対する標語には「ひとりよがりはいけない」とあった。であれば、有限である水にも同様に言及してほしい。(29日・ブレティン、ジュリー・ダザ)

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