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3月26日のまにら新聞から

中国大使館代理公使に抗議 補給船破損と職員負傷で比政府

[ 1313字|2024.3.26|社会 (society) ]

中国海警局船の放水砲による補給船の損傷と職員負傷事件を受けて比外務省が中国大使館の代理公使を呼び出して抗議。21カ国が比支持

 23日に南シナ海のアユギン礁(英名セカンドトーマス礁)で発生した、中国海警局船の放水砲による比補給船の損傷と職員負傷事件を受けて、フィリピン外務省は25日、在比中国大使館の代理公使を呼び出して抗議した。この際に中国大使館の代理公使は中国政府側の表明文も提出した。日本の外務省をはじめ21カ国の政府が25日までに比の立場を支持する声明を出している。

 比外務省のダザ報道官は25日、「(23日に発生した)中国船による比船舶へのハラスメントが比の主権と領有権、および海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)をはじめとする国際法に対する違反行為にあたる」として中国大使館の代理公使だけでなく、在中国比大使館を通じて中国外務省に対しても外交ルートで正式に抗議を行ったことを明かにした。

 一方、中国大使館は表明文で、「比側がその言葉を破って中国側の比に対する強い抗議も無視して、前回の補給作戦からわずか18日後に再び中国の南沙諸島にある仁愛礁(アユギン礁)の近海に比沿岸警備艇2隻と補給船1隻を侵入させ、違法に座礁させた戦艦に建築資材を運びこもうとした」とした上で、「中国は仁愛礁を含む南沙諸島に揺るぎない主権を持つ。(中略)仲裁裁判の判断は違法であり認められない。(中略)我が国は比に対し、侵害行為や挑発をやめ共同で南シナ海の平和と安定を維持することができるよう状況を適切に管理する方法を見つけるための正しい協議と対話の場に戻るよう求める」と比に呼びかけている。

 比外務省のダザ報道官によると、比補給船の損傷と職員負傷事件を受けて、現在までに21カ国の政府が比の立場を支持する声明を出したという。その21カ国には豪州やカナダ、米国やドイツ、欧州連合やフランス、イタリアや日本、英国や韓国などが含まれる。

 日本の外務省は25日、報道発表という形で「最近の南シナ海における緊張の高まりについて」というタイトルで声明を出した。その中で外務省は、「最近のフィリピン船舶の損傷及び乗組員の人的被害につながった危険な行動を含め、航行の自由を妨害し、地域の緊張を高める行為及びそれが繰り返されていることに対し、改めて深刻な懸念を表明」するとした上で、「23年11月に発出された日比共同プレスステートメント及び23年7月に比中仲裁判断発出7年を迎えて出された外務大臣談話でも述べられている通り、一貫して比中仲裁判断に従い、南シナ海における紛争の平和的解決にコミットメントしている比政府の立場を高く評価している」と比政府への支持を表明した。

 ▽中国は国際機関に提訴を

 比の国家安全保障顧問は25日、補給船の損傷と職員負傷事件について協議し、マルコス大統領に対して領有権問題に関する勧告を行うための高級官僚会合を行った。一方、テオドロ国防相は25日、記者団に対し、今回の事件で中国側が南沙諸島における領有権を改めて主張していることについて、「中国は自身の主張を世界に対して述べることを恐れていないのであれば、国際法に基づく仲裁機関に提訴してはどうなのか」と発言し、仲裁判断を無視し続ける中国側に挑発をしてみせた。(澤田公伸)

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