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2月16日のまにら新聞から

比は1ランク下がり53位 民主主義指数、全世界で落ち込む

[ 1060字|2024.2.16|社会 (society) ]

英EIUが発表した2023年の民主主義指数によると、世界167カ国のうち、比は前年比1ランク下がり53位

 週刊誌「エコノミスト」を発行する英国拠点のメディアグループ企業の調査部門「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」(EIU)は15日、2023年の民主主義指数を発表した。それによると、世界167カ国のうち、フィリピンは前年から1ランク下がり53位となった。また、暴力的紛争の増加によって、世界の民主主義スコアは大きく落ち込み、2020~22年の新型コロナ大流行後の回復の妨げとなっている傾向も明らかとなった。

 10を最上スコアとする評価で、比の全体のスコアは6.66となった。比の項目別では「選挙プロセスと多元主義の度合い」は9.17と高かったが、「政府の機能度」は4.64と落ち込んだ。また「政治参加の度合い」は7.78、「政治文化の度合い」も4.38と低かったが、「市民の自由度」は7.35と持ち直した。東南アジア諸国連合(ASEAN)では、マレーシア(40位)、東ティモール(45位)に続いて比は3番目に高い水準。後に続いたのはインドネシア(56位)、タイ(63位)、シンガポール(69位)、カンボジア(121位)、ベトナム(136位)、ラオス(159位)、ミャンマー(166位)だった。

 全体のトップ5はノルウェー、ニュージーランド、アイスランド、スウェーデン、フィンランドで、最下位はアフガニスタンだった。近隣諸国では台湾が10位にランクインし、オーストラリア14位、日本16位、韓国22位、香港88位、中国148位、北朝鮮165位だった。また、米国は29位、イスラエル30位、インド41位、ウクライナ91位、パレスチナ115位、ロシア144位となった。

 「完全に民主主義を維持している国」(スコアで8~10以内)は24カ国で、全体の14.4%、世界人口の7.8%に過ぎなかった。次いで「民主主義に欠陥を抱えている国」は比を含む50カ国で、全体の29.9%、同人口の37.6%。民主主義と権威主義が混ざり合った国を指す「ハイブリッドレジーム」は34カ国で、全体の20.4%、人口の15.2%。「権威主義レジーム」は59カ国で、全体の35.3%、人口の39.4%に及んだ。

 さらに、前年と同じスコアだった国は67カ国で、スコアを上げた国は32カ国に留まり、スコアを下げた国が68カ国に上った。EIUは調査結果を受けて、「新型コロナ大流行から3年が経とうとするが、世界規模で自由の後退が進行している」とし、2023年も「民主的停滞の継続と回復に向けた勢いを欠いた」現状にあると伝えた。(岡田薫)

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