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12月12日のまにら新聞から

3人に1人がいじめ経験 教育省「より積極的に介入」

[ 1206字|2023.12.12|社会 (society) ]

OECDの学習達成度調査によると、比の生徒の3人に1人がいじめられた経験ありと回答

 経済協力開発機構(OECD)が2022年に実施した世界81の国・地域の15歳を対象にした学習達成度調査(PISA)で、フィリピンの生徒の3人に1人が、少なくとも1週間に1回以上いじめられた経験があると回答した。調査結果を受け、教育省はいじめに対処するためのプログラムを全国で展開しているとし、より積極的な介入を通して対処していくと強調した。11日の英字紙インクワイアラー電子版が報じた。

 調査に参加した比全国188校の7193人の生徒のうち、28%が「からかわれた」ことがあり、19%が「脅された」経験があると回答。ほかにも「殴られたり突き飛ばされたりした」という物理的な攻撃だけでなく、「嫌な噂を流された」「わざと仲間外れにされた」との回答も多かった。

 ゴノン教育次官は「いじめは依然蔓延している。特に男子生徒や公立学校でより深刻だ」と指摘。1カ月に数回以上いじめを受けた生徒の数学の成績は、そうでない生徒に比べ11~44点低い傾向がみられたという。

 教育省は、いじめに関するホットライン「テレセーフ」に加え、メンタルヘルス・イニシアチブやカウンセリングプロジェクトを行う学習者支援サービス局(BLSS)、児童保護デスクを運営する学習者権利保護局(LRPO)との協力の上で、様々ないじめ防止プログラムを実施していることを強調した。BLSSは教職員の教育やカウンセリングを通していじめ防止と安全な学校の風土づくりに重点を置き、LRPOは主に虐待やいじめに直接対処するために法的手段を通じて介入する体制をとっている。

 同省は来年度から、メンタルヘルス専用部門開設や、各地域におけるメンタルヘルス・コーディネーターの継続的な雇用でよりアクセスしやすい環境づくりを整えるとしている。

 ▽給与増額で人材確保狙う

 今年9月に上院最終読会で承認された上院法案第2200号(基礎教育における精神と保健福祉促進法)では、心理学者の一部とカウンセラーはメンタルヘルスの専門家に分類され、月額給与等級がSG11(2万7000ペソ)から、SG16(3万9672ペソ)、SG18(4万6725ペソ)、SG20(5万7347ペソ)に引き上げることが定められている。また人材不足を補うため、看護師、社会福祉士、心理測定士がメンタルヘルス・アソシエイトという新しい職種に認定される。

 上院基礎教育委員会のガチャリアン委員長は「いじめは自尊心の低下や自身の欠如につながり、結果的に勉強に集中することの妨げになり得る」とし、「より積極的な介入」に取り組む姿勢をもって同法成立に楽観的な見方を示した。

 一方、2013年に制定された共和国法10627号(いじめ防止法)の施行については、包括的な分析と評価が必要だと指摘。同時に、インターネット上でのいじめや誹謗中傷の具体的な対策の必要性も訴えた。(深田莉映)

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