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12月4日のまにら新聞から

大学で爆発4人死亡 マラウィ市、50人超負傷

[ 824字|2023.12.4|社会 (society) ]

南ラナオ州マラウィ市の大学体育館で爆弾テロ事件が発生。ミサに参加していた4人が死亡、50人以上が負傷。大統領は「外国テロリスト」に対し非難声明を発表

爆弾テロが発生したミンダナオ大の体育館=3日、南ラナオ州政府が公開/(下)爆弾テロに巻き込まれ病院に運び込まれた男性=3日、南ラナオ州政府が公開

 南ラナオ州マラウィ市にある国立ミンダナオ大の体育館で3日午前7時14分ごろ、爆弾テロ事件が発生し、4人が死亡、50人以上が負傷した。負傷者のうち5人は深刻な状態。マルコス大統領は同日午前、「『外国テロリスト』によって行われた最も憎むべき行為を最大限の言葉で非難する」との声明を発表。「政府は冷酷な犯人に正義の裁きを与える」と宣言した。爆発発生時、同体育館ではミサが開かれており、キリスト教徒が標的にされた可能性もあるとみられる。国家警察はテロの続発に備え、首都圏全体での警戒を強化している。

 テオドロ国防相は会見で「外国勢力関与の兆候があり、政府が現在捜査を進めている」と報告。イスラエルと武力衝突中のガザを実効支配するイスラム組織ハマスの関与については、「自分にはそれに言及する自由を持っていない」と回答を避けた。

 その一方で、政府が先月発表した和平合意を結ぶモロ・イスラム解放戦線(MILF)、モロ民族解放戦線(MNLF)のメンバーに対する恩赦については、「全く影響はない」と明言した。

 一方、ブラウナー国軍参謀総長は「この爆弾テロは(政府のイスラムテロ組織掃討作戦の)報復攻撃の可能性もある」と指摘した。国軍は2日、ミンダナオ地方で複数のイスラム系テロ組織に対するFA50戦闘機を投入した空爆攻撃を11月30日に実施したことを公表。同作戦で、イスラム過激派ダウラ・イスラミヤのアミール(司令官)を含むイスラム過激派テロ組織の構成員11人が死亡したとしている。ダウラ・イスラミヤは2017年にマラウィ市で発生したイスラム過激派による都市占拠作戦にも参加していた。

 また、国家警察バンサモロイスラム自治地域本部のノブレザ本部長は、使用された爆発物は簡易手製爆弾だったとみて、どの種類の簡易爆弾かを陸軍と共に調査していると報告。警察は爆発物に入っていたとみられる鋭利な破片を現場から押収したとした。(竹下友章、イグナシオ・ディー)

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