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9月15日のまにら新聞から

「嫌な思い出残さないように」 マニラ生活サポートセミナー

[ 971字|2023.9.15|社会 (society) ]

在比1年未満の邦人向けにマニラ日本人会がオリエンテーションと交流会を開催

「マニラ生活サポートオリエンテーション」のセミナーの様子=14日、首都圏マカティ市のマニラ日本人会会議室で深田莉映撮影

 首都圏マカティ市で14日午後、「フィリピン生活を安全に楽しく過ごすために」と題した、マニラ日本人会による「マニラ生活サポートオリエンテーション」が開催された。今年5月に続き2回目で、主に在比1年未満の日本人会員・非会員が会場に23人集まり、オンラインで13人が参加した。セミナー後には懇親会が行われ、参加者同士温かい雰囲気で交流を深めた。

 二村邦彦事務局長はまにら新聞に「ガイドブックに載っていないことも聞けるし、その場で質問もできる」場だとし、「日本人会としてフィリピン生活のサポートができれば」と思いを口にした。

 在比21年の下田裕深推薦理事は「せっかくフィリピンに来たのに、嫌な思いをして嫌な思い出だけが残らないように。知っていたら防げたのに、ということも多い」とし、自身の体験談を交えながらプレゼンした。

 買い物や金融機関の利用方法、すりや置き引き、金銭トラブルなどの危機管理やメイド・運転手との付き合い方のほか、ドレスコードやチップ制度、一般的なマナー、「日本で日本人を雇っているのではない」ことを大前提とした職場でのコミュニケーションで注意する点を説明。誕生日や冠婚葬祭、祝儀の相場や、呼び名のマナーなどフィリピン独自の文化や習慣についても詳しく言及した。また、日常生活も含め「信頼関係を築くためにはお金や物をあげるより誤解を減らすこと」「怒らずに頼ってアシストしてもらう」などコミュニケーション面でのアドバイスも豊富に交えた。

 駐在員や帯同、他国での駐在経験がある人や海外に出るのが初めての人など、参加者の背景は様々。質疑応答では、日本人コミュニティーへの参加方法や言語の壁、子どもの勉強のサポートに関する相談も多かった。 

 3人の子どもと8月に帯同で来比し、「英語ができず、とにかく言語の壁にぶちあたっている」と苦悩を吐露した相京広海さんは「沈みそうになっていたが、悩んでいるのは自分だけでないことが分かっただけでも安心したし、参加して良かった。引きこもりがちだったが日本人と交流できてうれしい」と晴れやかな笑顔で感想を述べた。社内の日本人駐在員が1人で駐在は3カ国目という男性は「駐在は慣れていても(習慣など)全然違う。冠婚葬祭やマナーなど、聞きにくいことも知れてありがたかった」と話した。(深田莉映)

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