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6月13日のまにら新聞から

「飢餓からの自由達成を」 独立宣言125周年で大統領

[ 860字|2023.6.13|社会 (society) ]

独立記念式典で大統領「飢餓からの自由、無視からの自由、恐怖からの自由」呼びかけ

独立記念日で演説するマルコス大統領=12日、首都圏マニラ市キリノグランドスタンド(大統領広報室提供)

 首都圏マニラ市で12日、エミリオ・アギナルド初代大統領による独立宣言発布125周年を記念する式典が開かれた。リサール公園で献花と国旗掲揚を行ったマルコス大統領は、比大統領としては10数年ぶりとなるキリノグランドスタンドからの独立記念演説を行った。

 大統領は演説冒頭で「アギナルドの独立宣言から125年。われわれが独立をいかに勝ち取ったかに思いを致すためのよい機会だ」とし「独立のために戦った英雄たちは、われわれが『支配の軛(くびき)』を打ち捨てたことを誇りに思うだろう。われわれは、比の運命に命令を下そうとする外部の勢力に服従することは二度とない」と語気を強めた。

 さらに1月に署名した現政権による経済社会開発の中期計画となる比開発計画(2023~28)に触れ、「飢餓からの自由、無視からの自由、恐怖からの自由を達成するまで、長く急峻(きゅうしゅん)な道のりを国民とともに歩む」とし「民主主義社会における団結した主人公として、われわれ全員がこの夢の追及する義務を負っている」と社会開発への参画を呼びかけた。

 演説で提示された三つの自由は、米ルーズベルト大統領が1941年に教書演説で提示し、後に国際連合結成の理念ともなった四つの自由(言論・表現の自由、信教の自由、欠乏からの自由、恐怖からの自由)を踏まえたものとみられる。侵略を受けないことを意味する「恐怖からの自由」はウクライナ危機や台湾海峡を巡る米中対立を背景にそのまま引き継がれ、「欠乏からの自由」は「飢餓からの自由」と食料問題が強調された形になったほか、貧困・格差問題に関する「無視からの自由」が独自に設定された。

 比独立記念日は1946年以降、比が太平洋戦争後米国から独立した7月4日とされていたが、ディオスダド・マカパガル第9代大統領が1962年に大統領布告28号によって6月12日に変更している。6月12日は、米西戦争を契機に米国の後援で亡命先の香港から帰国したアギナルドが1898年にカビテ州カウィト町で独立宣言を行った日。(竹下友章)

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