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11月26日のまにら新聞から

3年ぶり巨人が練り歩く ヒガンテスフェスティバル

[ 1336字|2022.11.26|社会 (society) ]

ヒガンテスフェスティバルが3年ぶりに従来の規模で復活。巨人が練り歩く

ヒガンテスフェスティバルで巨人がアンゴノ町内を練り歩くパレード。布の前に開けられた頭一つ分の穴から外が見えるようになっている=リサール州アンゴノ町で20日、深田莉映撮影

 アートキャピタルの別名を持つリサール州アンゴノ町で、漁師の守護神である聖クレメンテを祝福するヒガンテスフェスティバルが10月28日から開催されており、目玉の巨人パレードが今月20日に行われた。通常規模での開催は3年ぶり。天候にも恵まれ、多くの観客が見守るなか、早朝から約150体の張りぼての巨人「ヒガンテス」が町内を練り歩き、町全体が熱気に包まれた。

 パレードでは、吹奏楽団やマーチングバンドが巨人に続き、地元の複数団体がパフォーマンスを披露した。巨人の列は圧巻で、リズムに合わせて器用に体を動かしたり、独特の動きで踊ったりする巨人は観客の目を引いていた。ほかにも、ピカチュウやナルトなどアニメキャラクターを模した巨人や、パレード参加者にはセーラームーンや魔女のコスプレに身を包む人もいた。

 ヒガンテスフェスティバルの起源は諸説あるが、スペイン植民地支配、横暴な地主などに対する嘲笑や抗議の意を込めて巨人人形が作られたのが始まりとの説がある。巨人制作アーティストによると、1体制作するのにかかる期間は約1カ月で費用は約1万~1万5000ペソ。骨子に使われる材料は、昔は竹が主流だったが、現在はより軽量なアルミが多いという。大きさは約2メートルから、大きいもので約4・5メートルのものまで様々で、背の低い子どもが中に入れるサイズのものもある。巨人人形は決して軽くなく、布で覆われており風も通らないため、炎天下で3~4時間かけて町内を練り歩くのは決して楽ではない。中に入っているのは、エネルギーに溢れた若い男性が多い印象だった。

 4年前から父に代わって巨人人形に入ってパレードに参加しているというフロイ・バサイサイさん(20)は「自分は控えめな性格なので注目されるのは苦手だが、今日は特別ですごく楽しみ。知り合いもたくさん見ているし、(ほかの巨人に入って歩く)友人らと堂々とかっこよく歩きたい」と声を弾ませた。

 パレードのルートとなっていた大通り沿いに位置するアンゴノ医療センターから、道路に出てきてパレードを見守っていた比人男性医師は「ついにフェスティバルが戻ってきた。コロナはまだ終わったとは言えないが希望の光をじわじわと感じている。特に、パレードのパフォーマンスに向けて練習を重ねてきた地元の子どもたちが活躍する姿をまた見ることができて感慨深い」と微笑みながら目を細めた。

 アンゴノ町のジェリマエ・カルデロン町長は「コロナ前の規模で開催できたことが本当にうれしい。ヒガンテスフェスティバルをこれからどんどん大きくしていきたい」と期待を寄せた。

 ▽ダバオにも巨人?

 ヒガンテスフェスティバルには、主賓としてサラ・ドゥテルテ副大統領も参加。サラ氏は「アンゴノ町が、この地の文化やアートを守るために尽力してきたことは、同フェスティバルの歴史的意義を忘れないようにするためにとても大切なことだ」と労いと称賛の意を表した。

 さらに、サラ氏はカルデロン町長に対し、自身の故郷ダバオ市で3月に行われるアラウナンダバオと8月のカダヤワン祭りの際に、同町の巨人を貸し出してほしいとの希望を伝えた。同町長はサラ氏の要望に応える姿勢だという。(深田莉映)

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