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2月25日のまにら新聞から

ウクライナOFW 国外退避開始 ポーランドがビザなしで比人受け入れ

[ 773字|2022.2.25|社会 (society) ]

ロシアがウクライナに軍事作戦を開始したことを受け、比政府はウクライナにいる比人の国外退避活動を始めた

 フィリピン政府は24日、ロシアのプーチン大統領がウクライナで軍事作戦を開始したと発表したのを受け、ウクライナにいる海外比人就労者(OFW)などの国外退避やフィリピンへの帰還に向けた支援活動を始めたと発表した。ロクシン外相は、ウクライナから出国する比人がポーランドへビザなしで入国できるようにする手配にポーランド政府が同意したことを明らかにした。

 大統領府のノグラレス大統領報道官代行は「比人の安全が政府の最優先事項だ」と表明し、ウクライナ情勢を注意深く見守るとしている。

 アリオラ外務次官は24日の会見で「同胞支援のために待機している。利用可能なすべての手段を使って帰国させるつもりだ」と述べた。ウクライナにいる約380人の比人のほとんどが首都キエフに住んでおり、20日までに5人が帰国、他の4人も「状況が許せば」25日に帰国予定という。

現在、比政府はウクライナに対し警戒レベル2を発令しており、比への帰国や退避はまだ任意だとしているが、23日には比への帰国を希望する人に航空券を無料で提供することを発表しており、ウクライナにいる比人の配偶者や扶養家族も合わせて入国手配ができるとしている。

 比政府はウクライナ西部のリビウに領事チームを派遣し、比人コミュニティーや関係当局との連絡や調整を迅速に行えるよう体制を整えている。また退避に向けて、モスクワ、ワルシャワ、ブダペストにあるフィリピン大使館と緊密に連携を取るとしている。

 アリオラ次官は、ウクライナにいるすべての比人に対し、在ポーランド比大使館もしくはウクライナの首都キエフの比領事チームなどと連絡をとり、国外退避命令が出た際に速やかに場所を確認できるよう準備を求め、「帰国や安全な場所への移動が必要な場合は、キエフの領事チームに連絡するよう」勧告した。(深田莉映)

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