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1月25日のまにら新聞から

ツイッターが数百アカウントを停止 ボンボン氏支持者らの情報操作と認定

[ 1340字|2022.1.25|社会 (society) ]

ツイッター社は大統領候補のボンボン・マルコス氏を支持する数百のアカウントが同社のポリシーに違反したとして停止

 SNS大手のツイッター社は22日、大統領候補のボンボン・マルコス氏を支持する数百のアカウントが同社の「プラットフォームの操作とスパムに関するポリシー」に違反したとして、停止したことを明らかにした。世界でも有数のSNS利用者がいるフィリピンは、フェイクニュースといったSNSを舞台にした情報操作の重要な戦場の一つとされている。

 22日の英字紙マニラタイムズなどによると、ツイッターはネットメディア、ラップラーが18日に記事で報じていたアカウントやハッシュタグを見直した結果、大量の問題アカウントの特定につながった。しかし、ツイッターはそれ以前から対策を始めていたと説明している。

 5月の選挙で当選を目指すボンボン氏とその陣営が、父親のマルコス元大統領やその妻のイメルダ氏らによる大規模な汚職や戒厳令、1986年の失脚の歴史そのものを自らを「被害者」に見立てる形で歴史修正を行っているとの批判がなされてきた。ラップラーはツイッターにおいて10月6日にボンボン氏が立候補届を提出して以降、急激にユーザーアカウントが作られ、大規模な政治キャンペーンがツイッターを席巻したことを報じている。

 ツイッターのヘルプセンターによると、「プラットフォームの操作とスパムに関するポリシー」に基づく制限対象として①典型的な商業利用の目的で訪問者数を増やしたり、注目を集めたりするスパム利用②アカウントやコンテンツを実際より人気、またはアクティブに見せるための偽りの行為③複数のアカウントや偽アカウントなど人為的に会話に影響を与えようとする行為④共謀してルール違反行為を助長したり、宣伝する有害行為――と説明している。

▽ボンボン陣営も反撃

 一方、ボンボン氏の弁護士であるビクター・ロドリゲス氏は声明で22日、「停止された数百のアカウントがあったのかもしれないが、そのすべてがボンボン氏の支持層に属しているという確証はない」と反論。「偽情報を削除するとの名目で偽情報を流すメディアを参照した」とツイッターに警告するとともに、ラップラーにも批判を加えた。

 同弁護士はまた、ツイッター側が「ボンボン氏に関連したいずれのアカウントであるかも明らかにしておらず、停止されたアカウント数が300以上のアカウントだと断定的に伝えたのはラップラーだけ。なぜラップラーだけが知っているのか。偽情報を流す側であるからだ」との認識も示した。

 同弁護士はさらに、民放大手GMAが22日夜に放送した大統領選の有力候補者を招いた番組への出演を見送った理由として「いかなるフォーラムでも、大統領を目指す者が新型コロナの問題をどう解決し、経済をどう復活させるのか、そうした計画に焦点を当てるべきだ」と主張。「ボンボン氏はABS―CBNが企画中の大統領候補者インタビューには出演する予定だ」とも語った。

 一方、泡沫候補と目されているレオディ・デグスマン氏=勤労大衆党=は同日、番組に「私は招かれなかった。後でフェイスブックライブで、今日の候補者への質問に私なりに応えたい」とし、実際2時間以上の番組放送中に同時放送。23日午後10時時点で299回のシェアと681人の「いいね」が付いている。(岡田薫)

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