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1月10日のまにら新聞から

「市中感染始まっている」「職員の半分が陽性の病院も」 オミクロン株で専門家

[ 942字|2022.1.10|社会 ]

政府ワクチン専門委員がオミクロン株の市中感染が既に始まっているとの認識示す

マカティメディカルセンター駐車場に設置された仮設PCR検査場で順番を待つ検査希望者たち=3日マカティ市、竹下友章撮影

 マニラ市にあるサンラザロ病院の感染症科部長で政府の新型コロナワクチン専門委員も務めるロンヘネ・ソランテ医師は8日の会見で、新型コロナのオミクロン株について「比国内での市中感染は既に始まっている」との認識を示した。また、院内感染も深刻化し、多くの病院で「職員の3分の1から2分の1が陽性となっている」と医療現場の窮状を訴えた。

 市中感染が始まっていると考えられる理由について同氏は、わずかの期間に「感染者が急増しており、そのほとんどが上部呼吸器系の症状という点で共通している」と説明。さらに、オミクロン株の感染力は「デルタ株の3倍から5倍」という最新の研究報告を引用。「一度オミクロン株に感染し回復した人には免疫ができるが、ウイルスは更に変異し続ける」とし、一度感染から回復した人も含め、感染予防のためにワクチン接種・追加接種を進め、マスク着用・ソーシャルディスタンスなど防疫規則を順守するよう呼びかけた。

 保健省は6日時点で国内で43人のオミクロン株感染者を確認。まだ市中感染を宣言していないが、ベルヘイレ保健次官は「(市中感染が」始まったと想定している」と述べている。

 ▽警戒レベル4「必要ない」

 8日には新規感染者数が2万6458人と過去最多を更新するなど感染拡大が深刻化する中、ドゥケ保健相は首都圏の防疫警戒レベルの「4への引き上げを検討している」と発言。これに対しコンセプション大統領顧問(起業家養成担当)は8日、警戒レベル引き上げは「必要ない」との声明を出した。

 同氏は「新型感染症省庁間タスクフォース(IATF)のメンバーやアニョ内務相に聞いたところ、現時点で警戒レベル引き上げの本格的な動きはない」とし、その上で「引き上げる必要もない」と明言した。

 その理由について同氏は「年末年始シーズンが終わり、第1四半期は消費活動が緩やかになる。規制を強化しなくても国民の移動・活動は劇的に減る。その上さらに今時の感染急増で国民は自主的に外出を控える公算が高い」と説明した。

 警戒レベル4では遊園地やカラオケバーなどに加え映画館や劇場も営業禁止となるほか、店内サービスの客席使用率の上限はレベル3の30%から10%まで引き下げられる。(竹下友章)

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