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10月16日のまにら新聞から

30万人が職場復帰へ 首都圏警戒レベル引き下げで

[ 775字|2021.10.16|社会 (society) ]

警戒レベル引き下げで首都圏を中心に約30万人が職場復帰する見通し

遊園地のインスタ映えを売りにした新コーナーで写真を撮る人々=2018年8月、マニラ市(EPA=時事)

 首都圏の防疫規制が16日から警戒レベル4から同3に引き下げられるのを受けて、ロペス貿易産業相は14日、映画館やカジノ、レクリエーション施設などを含め多くの業種で営業が再開されるため、「首都圏やその近隣州などで最大30万人が職場に復帰するだろう」との見通しを示した。15日付英字紙スタンダードが報じた。

 同相は「警戒レベル3に引き下げられたことで特にサービス分野で営業が再開され、コロナ禍でこれまで休業または失業していた労働者たちが仕事に戻れるだろう」と表明し、経済再開に向けてようやく動き出せるとの期待感を表した。

 また、プヤット観光相は14日、「首都圏で高齢者および基礎疾患を持つ住民の最低7割の接種完了という条件が満たされたことから、レストランや社交イベント用の会場、観光施設なども警戒レベル3の下で、30%の稼働率で営業でき、さらに安全シールを確保すれば10%が追加できる」として警戒レベル引き下げを評価した。また、「ステイケーション」と呼ばれる居住地から比較的近い場所にあるホテルへの滞在については、稼働率が100%まで認められることから、同相は、「これはタイムリーだ。クリスマスシーズンが近づき、家族や親せきで集まる文化を持つフィリピン人にとって(ホテルで)余暇を過ごせるのだから」と歓迎した。

 しかし、世界保健機構(WHO)のアベヤシンへ比代表は同日までに、首都圏の警戒レベル引き下げについて、「人の命がかかっているので、規制や制限緩和を急ぐのではなく、もっと注意深い調整をするべきだ」と述べ、経済再開が一気に進むことへの懸念を表明した。

 また、保健省は14日、映画館の再開について、「コロナの感染再拡大につながらないかどうかをモニターする」とし、映画鑑賞を通じて感染が拡大しないか注視するとの考えを示した。(澤田公伸)

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