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8月13日のまにら新聞から

コロナ拡大で医療用酸素不足か メーカーへの免税、大統領が約束

[ 1113字|2021.8.13|社会 ]

政府が供給拡大に乗り出す。メーカーに免税措置などの生産支援も

酸素ボンベが置かれた仮設のテント病床=首都圏の病院で(EPA=時事)

 新型コロナ感染の拡大に伴い、医療用酸素の不足が懸念されているのを受けて、政府は医療用酸素メーカーに対する免税措置を検討するなど、医療用酸素の供給拡大に乗り出した。

 11日付英字紙ビジネスミラーによると、ドゥテルテ大統領が9日、国民向け演説で「医療用酸素の十分な確保が政府のコロナ対策にとって極めて大切だ。医療用酸素メーカーに免税措置を提供したい」としてメーカーへの支援を約束。ロケ大統領報道官は「議会下院での立法措置を通じて医療用酸素メーカーに対する免税措置を付与するために、経済閣僚らが具体的な協議に入っている」と説明した。

 ロペス貿易産業相も先に、国内に4社ある酸素メーカーに対し、生産量を引き上げるよう促す発言をしている。

 コロナ感染者が急増しているセブ市で8月1日前後までに、主要病院のコロナ病床が満床となり、重症患者らが病院前の車中で待機を強いられる状態に陥いり、医療用酸素ボンベを求める市民たちが販売店に押しかけている様子などが英字各紙で報じられていた。

 英字紙インクワイアラー電子版によると、エレアザール国家警察長官は4日、医療用酸素ボンベやその他の医療器材などの買い占め行為を取り締まるようセブ市警察署やセブ州警察本部などに指示を出した。セブ市のマイケル・ラマ副市長から国家警察や貿易産業省に対して、医療用酸素ボンベの買い占めが行われているとして調査の要請が寄せられたためで、セブ市だけでなく首都圏での買い占めの有無についても調査するとしている。

 首都圏では、6日から防疫強化地域(ECQ)に指定されて以降も、1日当たりの新規感染者数が2千人を超えており、コロナ病床(ICU)使用率も69%に達している。全国の新規感染者も連日、1万人を超えるなど各地で医療逼迫(ひっぱく)が深刻化する中、医療用酸素の需要も今後、さらに増加すると予測されている。

 ロペス貿易産業相によると、現在の比国内における医療用および産業用の酸素の生産能力は合わせて1日当たり603トン。国内需要量を約3倍上回っており、製品価格はまだ上がっておらず、「産業用のメーカーに医療用の製造を振り向けることも可能だ」としている。

 工業用と医療用では純度など規格に違いがあるが、インドでは新型コロナ感染者の急増で病院で使う医療用酸素が不足したため、工業用を転用していると報じられた。

 また、日本でも2011年の東日本大震災では、被災地を中心に医療用酸素のボンベが足りなくなる可能性があったため、厚生労働省が緊急的に工業用ボンベを医療用の代替として条件付きで使用できると通知、ボンベを補てんしたことがある。(澤田公伸)

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