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10月4日のまにら新聞から

マニラが渋滞ワースト都市に 公共交通に課題とADB報告書

[ 807字|2019.10.4|社会 (society)|新聞論調 ]

 アジア開発銀行(ADB)はこのほど、アジアの主要都市における渋滞の程度に関する報告書を発表した。マニラ首都圏については、交通渋滞だけでなく、水や電力など公共サービス提供の不足といった、日々首都圏住民が感じてきたことも明確に示している。しかし、人口500万人を超えるアジアの278の都市のうち、マニラ首都圏が最も渋滞がひどいという結果だった。マニラ首都圏の他には、クアラルンプール(マレーシア)、ヤンゴン(ミャンマー)、ダッカ(バングラデシュ)、バンガロール(インド)、ハノイ(ベトナム)なども調査対象だった。

 調査は、ADBがマニラ首都圏における夜間などの衛星写真とグーグルマップを利用して行った。マニラの渋滞の原因は、効率的で料金が手頃な公共交通機関の不足で、この点の改善が不可欠としている。

 ドゥテルテ大統領は、インフラ促進計画「ビルド、ビルド、ビルド」のもとにインフラ整備を実施し、任期終了の2022年までに渋滞問題は解決されると希望を持っている。しかし、大統領府だけではなく、政府の関係機関、さらに司法や立法府も協力して問題解決に当たるべきなのだ。

 首都圏開発庁(MMDA)報道官のピアラゴ氏は、渋滞問題にはより高い賃金を求めた地方からの人口流入など、多くの要因が関連していると述べている。人口委員会によると、首都圏の人口は現在の1200万人から、2025年までにはさらに11%に相当する、約200万人増加するという。

 交通は、首都圏が直面する問題のひとつに過ぎないが、最も深刻な問題でもある。机上の空論や付け焼き刃の対策ではなく、ビジョンと新たなアイディアが必要だ。とりわけMMDAは最も重要な機関で、首都圏のニーズと課題に基づいてその綱領を見直す時にきている。今回の「アジアで最も渋滞している都市」についての問いに答えるべきは、大統領府というよりこのMMDAである。(1日・タイムズ)

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