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11月30日のまにら新聞から

国民に冷たい大統領 減税法案や銃弾事件の対応

[ 728字|2015.11.30|社会 (society)|新聞論調 ]

 アキノ大統領は最近、自身の圧力を行使して下院議会における所得税減税法案を廃案に持ち込んだ。ベルモンテ下院議長が大統領による干渉を暴露して明らかになった。アキノ大統領はこの法案で恩恵を受けるはずのサラリーマンや労働者の声を無視して減税法案をつぶす一方、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議のマニラ開催のために100億ペソもの国民の血税を注ぎ込んだ。

 このような政府による無駄遣いは、台風ヨランダの被災者支援や被災地の復興のために政府が節約モードであるべき時期であり、まったく矛盾するやり方だ。これには故コリー・アキノ元大統領に近かったベリョ下院議員=政党リスト=も「国民の苦難をまったく考えていない」と批判した。大統領は税収の縮小と格付会社による比の格付け引き下げにつながるとして、減税法案を破棄したかったのであろうが、多くの下院議員たちもただ大統領に服従するだけだった。

 アキノ大統領は問題になっているマニラ空港での銃弾事件の被害者に対してもまったく同情心を持ち合わせていない。大統領はこの事件がセンセーショナルに報道された際、「マニラ空港を利用する3400万人の利用客に比べて事件はたった1200件にすぎない」と発言。しかし、これは統計上の問題ではなく、事件でひとりの人間の将来やキャリアが破壊されるという問題なのである。事実、被害に遭った比人海外就労者(OFW)の女性はその後、無罪放免となったが、逮捕・拘留されたため海外での職を失った。「事件が1件だけであってもあまりにも大きな1件だ」と述べたマルコス上院議員の言葉に共感する。大統領は被害を受けた国民の傷口に侮辱という塩を塗っている。(27日・タイムズ、アーウィン・トゥルフォ氏)

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