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5月7日のまにら新聞から

台風ヨランダ(30号)

[ 755字|2014.5.7|社会 (society)|ビサヤ地方台風災害 ]

名古屋外大ら日本の3大学が台風で被災した比大タクロバン校に校用車を寄贈

校用車の寄贈式でテープカットする津田守名古屋外大教授とアニタ・クラール比大タクロバン校学長=比大タクロバン校提供

 日本のフィリピン研究家、津田守教授(66)=名古屋外語大=が6日、台風ヨランダ(30号)で被災したビサヤ地方レイテ州タクロバン市を訪れ、フィリピン大学タクロバン校に8人乗りの「校用車」を寄贈した。

 校用車は、トヨタ自動車製の赤い8人乗り多目的ワゴン。名古屋外語大、名古屋学芸大、名古屋学芸短期大の3校の学生、職員が募金活動で集めた寄付金約240万円で購入された。

 津田教授は「学校関係者なら誰でも使用できるようにしてほしい」との思いを込めて「校用車」と呼ぶことにしたと話した。

 寄贈式は6日午前11時から同校の屋外で開催され、学生、教職員ら約50人が出席。クラール学長は式典で「大学のサービスカーとして、学生、教職員みんなで使おう」と呼び掛け、日本の大学関係者に感謝の意を表明した。

 津田教授によると、昨年11月、台風被災の報道を受けて名古屋の3大学で同時期に「何かしたい」と声が上がった。中には比人の母を持つ新日系2世の学生もいたという。街頭募金のほか、名古屋学芸大の学生が撮影した募金呼び掛けの映像を同大のウェブサイトで公開するなど、学生が中心になって活動を続けた。

 3月初旬から、津田教授がタクロバン市入りし、比大側の要望を聞き取った。その際、被災地の視察を兼ね、同大の公用車で市内を回った。公用車は被災直後に高潮で流されたことから、助手席や後部座席は大破。辛うじてエンジンが動くだけの状態だった。

 帰国して1週間後、比大から「公用車が完全に動かなくなった」と電子メールで伝えられたことがきっかけで新しい車を寄付することになったという。

 津田教授は「被災地支援で終わらず、今回の寄付をきっかけに比日の大学間で活発な交流が始まることを期待している」と展望を述べた。(加藤昌平)

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