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1月27日のまにら新聞から

2人乗りの1割が犯罪者?

[ 707字|2014.1.27|社会 (society)|新聞論調 ]

バイク使った犯罪

 ロハス内務自治長官は17日、近年増加する2人乗りのオートバイによる犯罪への警戒を呼びかけた。一方で同長官は「国民はあまり心配する必要はない。なぜなら、2人乗りしたオートバイによる犯罪の割合は、10組に1組程度だからだ」と発言した。

 同長官は、自身の発言が、オートバイに乗った2人組の1割が犯罪者か、あるいは犯罪者になる可能性があるという意味だと気付いているのだろうか。発言を信じるならば、街中を徘徊(はいかい)している犯罪者は恐ろしく多いということになってしまう。問題は、2人乗りしたオートバイによる犯罪が横行している事実に対して、何ら解決策が提示されていないことだ。国民は徹底的で効果的な対策を求めている。

 同長官と違い、首都圏マニラ市のエストラダ市長が、この犯罪を深刻に受け止め、解決策を模索していることには好感が持てる。同市長は、同市内でのオートバイの2人乗り禁止を条例化しようと検討しているという。

 しかし、エストラダ市長の提案に対して、民間団体「犯罪・汚職に対抗するボランティア(VACC)」のヒメネス代表は反対の意志を示している。オートバイ2人乗りの禁止は、憲法上で規定された交通手段の自由を侵害するという。

 ヒメネス代表がこの提案に反対するのは驚きだ。同代表は2012年4月、政府に対して、オートバイの2人乗りを一時的に禁止するよう訴えたことがあるからだ。

 ヒメネス代表がするべきことは、ロハス内務自治長官に対して、この手口への犯罪対策を求めることだろう。結局のところ、これらの犯罪が横行した第一の責任は同長官にあるのだから。(20日・スタンダードトゥデー、アルビン・カピノ氏)

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