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2月14日のまにら新聞から

経済専門家130人超がロブレド氏支持 NEDA歴代長官ら

[ 1043字|2022.2.14|経済 (economy) ]

NEDA歴代長官5人を含むエコノミストら137人がロブレド候補支持の共同声明を発表

 元国家経済開発庁(NEDA)歴代長官5人、中央銀行元副総裁1人を含むエコノミストら137人が11日、5月9日の大統領選に立候補しているレニー・ロブレド現副大統領を「経済復興の希望」として支持する共同声明を発表した。12日付英字紙スターなどが報じた。

 声明は国家の差し迫った課題として①十分な報酬を伴う雇用の不足②高インフレ③食料不足④不十分な公的保健制度⑤インフラ不足⑥行政の縁故主義と腐敗――を指摘。格差縮小、全社会階層の機会拡大を目的とする経済回復策を「次期政権の優先改題とすべきだ」と主張した。

 その上で、ロブレド氏を「経済回復を加速する政策を策定するめに必要な経済学知識と法学知識を持つ人物」と高く評価。「多年にわたる人権派弁護士としての活動を通じ、貧困層支援に対して本当の関心を持っていることを示してきた」とした。

 また、副大統領室主導で行ってきた、無料の移動式新型コロナ抗原検査「スワッブキャブ」、オンライン医療相談サービス「バヤニハン・Eコンスルタ」、ドライブスルー型接種事業「ワクチンエクスプレス」などの事業を挙げ、ロブレド氏の「実務能力は証明済み」と指摘。

 「できる限り速やかに国民の生活に活力を取り戻すために政府への信頼を回復し、現状を打破するにはロブレド氏が最もふさわしい候補だ」として、同氏への支援を呼びかけた。

 共同声明に参加したNEDA元長官は、ソリタ・モンソッド(在任87年6月―89年)、シエリト・ハビト(92年6月―98年6月)、ダンテ・カンレス(01年1月―02年12月)、エマニュエル・エスゲラ(16年2月―16年6月)、エルネスト・ペルニア(16年6月―20年4月)の5人。ペルニア氏は現政権で任命された前長官だ。

 また、フィリピン大経済学部長、比人初の蘭エラスムス大教授を歴任した現職下院議員のステリャ・キンボ氏(野党・自由党)、2019年まで中銀副総裁を務めたディワ・ギニグンド氏のほか、比内外の大学の学長、学部長、教授など錚々(そうそう)たる経済専門家が共同声明に名を連ねた。

 ロブレド氏は86年にフィリピン大経済学部を卒業。その後、政府ビコール盆地開発プロジェクトの研究員を経験、ビコール地域ナガ市のサンタイサベラ大で経済学を教えたこともある。97年に弁護士資格を取得後、人権派弁護士として活躍。2013年に下院議員選挙に立候補し当選、16年にはボンボン・マルコス氏を僅差で破り副大統領となった。(竹下友章)

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