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10月14日のまにら新聞から

「適切な仕事」の創出を 人材の国外流出

[ 647字|2018.10.14|社会|新聞論調 ]

 高い失業率が問題となる中、政府の経済政策担当者は「国内には十分な雇用がある」と言う。しかし、多くの人々は外国で高給で良い条件の仕事に就くため、比人海外労働者(OFW)となって海を渡る。単に人口に見合うだけの数の仕事なら国内にもあるかもしれない。しかし比人は、家族を養うのに十分な「ディーセントワーク(適切な仕事)」を求めているのだ。

 ディーセントワークは国際労働機関(ILO)が提唱した概念で、「働きがいのある人間らしい仕事」を意味する。10月7日は世界でディーセントワークを追求する日として制定されており、各国の労働団体はデモなどを実施。比でも労組団体が、より良い仕事や労働環境を求めて集会を開催。

 ディーセントワークは国連が2030年までの達成で採択した「持続可能な開発目標」の一つでもあり、「全ての人のための持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセントワークを推進する」とうたっている。

 比では雇い止めなどの違法な雇用形態も問題となる中で、賃上げ、社会保障制度の整備などを含むディーセントワークを考えていく必要があるだろう。比政府は労働問題に取り組み、質の良い雇用を創出しなければ、今後も優秀な人材は海外へ流出し、OFWの送金に頼った経済が続いていくだろう。

 変革は一朝一夕には達成できないが、国内の労働問題を一つ一つ解決していく必要がある。改善の兆しはある。官民連携で制度を整え、質の良い雇用の創出や、起業がしやすい環境をつくっていくべきだ。(8日・スター)

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