首都圏警察マカティ署は15日未明、路上で物品販売をしていた女性に銃を突きつけスマートフォンを奪った強盗犯2人を現行犯で逮捕した。警察は2人が犯罪組織に属している可能性を調査しており、余罪を調べている。同署のアルティスタ広報担当はまにら新聞に対し「犯人の活動エリアはアヤラ地区などで、日本人に対する拳銃強盗に関与した可能性もある」と述べ、まだ被害届を出していない日本人被害者への捜査協力を改めて呼びかけた。
同日、マカティ市サンアントニオのマルガイ通りで物品販売の女性(32)が歩いていたところ、突然青のオートバイが停車し、銃を突きつけ1万4000ペソ相当のスマートフォンを奪い取った。その後、犯人はアヤラ通りに向かって逃走した。
女性は近くでパトロールをしていた白バイ警官に助けを求め、同警官は周囲の職員に情報を共有。逃走方向に展開している職員が追跡に当たった。午前4時ごろ、同市ベルエアのアヤラ通りとカマゴン通りの交差点近くで、ともに無職のマイケル容疑者(24)=首都圏タギッグ市ピリゴンティパス在住=と、ザルジョン容疑者(24)=同=を強盗容疑で逮捕。被害女性が犯人だと特定した。
犯人からは強奪されたスマートフォンのほか、45口径の拳銃、マーク2手榴弾、犯行に使われたオートバイなどが押収された。
マイケル容疑者は2020年3月に暴行容疑で、ザルジョン容疑者は2021年10月に包括的危険薬物法違反の疑いで逮捕されており、2人ともタギッグ拘置所への収容歴があった。マカティ署は「より広範な犯罪ネットワークと関わりがある疑いがある」としている。
ガルドゥケ署長は声明で「5分内対応を徹底した成果であり、現在の巡回・警戒活動が有効だということが証明された」とした。アルティスタ広報担当は「マカティ市全体としての治安指標は良く、2025年のワールド・トラベル・インデックス(WTI)の安全部門で首都圏自治体で唯一国内都市のトップ10に入っていることも日本人コミュニティーに知ってもらいたい」と語った。(竹下友章)