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明暗を分けた二つの政治家一族 中間選挙結果

2019/5/17 社会

 今回の中間選挙で二つの大統領一族で明暗が分かれた。2001年に汚職問題で政権を降り、その後、略奪罪で有罪判決を受けたものの、アロヨ政権から恩赦が出されたエストラダ元大統領。今回の選挙では本人はもちろん一族9人のうち8人までが敗北した。50年近く政界で君臨してきた一族が完全に姿を消そうとしている。

 庶民の味方を演じたアクション映画俳優だったエストラダがサンフアン町長に当選したのが1969年。17年間町長を務めた後、上院選、副大統領選、大統領選と立候補してすべてに勝利。今回、82歳でマニラ市長選に再選目指し出馬したが、マニラ市の路上でかつてゴミ拾いをしていたこともある、44歳のイスコ・ドマゴソ副市長に敗れた。

 上院選に立候補したエストラダの息子2人も当選圏外の13位と15位に低迷している。また、孫娘であるジャネラもサンフアン市長選でサモラ副市長に敗れた。娘のジェリカもマニラ市議会選挙に初出馬したが当選できなかった。おいのERエヘルシトもラグナ州知事選で返り咲きを狙ったが失敗。めいのジャナ・エヘルシトがサンフアン市議会選で当選したものの、おいであるガリー・エストラダはリサール州カインタ副市長選で敗れた。

 一方、ドゥテルテ大統領は立候補者に含まれていないものの今選挙での一番の勝者だった。子供4人がダバオ市の要職にすべて当選したほか、下院や上院を含め立法府での与党の地位を確固たるものとした。これで政府と司法を含め三権機関をすべて支配下に置き、ロブレド副大統領のように自分の気に入らない政府高官を弾劾裁判にかけることも容易だ。地方首長選でも8割までを与党勢が占めた。おそらくフィリピン共和国123年の歴史で彼ほど権限を掌握した大統領はいないだろう。ドゥテルテはこの国の歴史を前例のない独裁制に移行させることができる。(15日・スタンダード、トニー・ロペス)

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