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彼我の差

2010/9/6 社会

バス乗っ取り事件の教訓

 来比した香港側捜査当局が、犠牲者8人が乗っていた観光バスの鑑識捜査を始めた。捜査員らは防護服を着て、ナイロン性の靴と手袋、帽子、マスクを着用し、事件が残した痕跡を消さないよう細心の注意を払っていた。捜査内容を徹底的に記録するため、カメラとともに懐中電灯も持参していた。どんな痕跡をも見逃すまいとしている。

 犯人のメンドーサ元警部の射殺が確認された直後、首都圏警察マニラ市本部の警官隊が取った行動とは対照的だ。警官の1人はバスに接近する際、見物人らに手を振っていたのを目撃されている。報道陣はメンドーサ元警部が射殺されると、同元警部と救出された犠牲者に最接近しようと、警察や救急部隊と共にバスへ殺到した。救出作戦にあたった特殊部隊員の大ハンマーが手から滑り、割れたガラス窓から車内に消えたが、その後、このハンマーがどうなったかは分かっていない。事件解明の鍵となる現場保存などだれも全く気にせず、現場を荒らしてしまった。捜査に必要な、断片的な手がかりを繋ぎ合わせることが、困難になってしまった。

 香港では8月29日、数万人が犠牲者8人への正義の要求と比当局の救出作戦失敗に抗議するデモ行進が行われた。正義の追求は、何が起こったかに関する徹底的な捜査を意味している。犠牲者8人という結果を招いたことに対し、誰が責任を負うのかを明確にしなければならない。

 国家警察は、特殊部隊からの銃弾が人質に当たった可能性を自ら明らかにした。大統領府と司法省は、国家警察に対し、比中捜査当局による最終的な捜査結果が出るまで、かん口令を敷いた。比政府は事件後も、事件の対応に失敗している。捜査での失敗は許されない。(8月31日・スター)

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