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汚職根絶の阻害要因

2009/11/16 社会

訴追される告発者

 政府ブロードバンド網構築事業(NBN)不正受発注事件で、上院ブルーリボン委員会は、行政監察院にアロヨ大統領の弾劾や夫ホセミゲル氏らの起訴を勧告した。現政権下ではどちらも実現の望みは薄く、同様に起訴勧告を受けた政府高官の停職処分さえも可能性は極めて低いだろう。

 行政監察院はすでにネリ元国家経済開発庁長官を汚職罪で起訴し、一時停職を命じたが、大統領府は処分を無視し続けている。ネリ元長官は上院聴聞会で、アバロス中央選管委員長=当時=から2億ペソのわいろ提供を受けたと証言。しかし、大統領との会話の詳細は行政特権を行使し、証言を拒んだ。

 ネリ元長官は現在、社会保険機構総裁に就任し、民間セクターからの年金数十億ペソを取り扱っている。2010年6月30日の大統領任期満了まで失職することもないだろう。不正の実態を内部告発人ロサダ元比森林公社総裁が直接的な関与を指摘したメンドーサ運輸通信長官、アティエンサ環境天然資源長官、ガイテ前官房次官(証券取引委員長に昇進)ら政府高官たちも失職の気配はない。

 恐らく現政権下において、上院委員会の勧告通りに起訴されるのは内部告発者であるロサダ元総裁と実業家ジョーイ・デベネシア氏。現政権高官を訴追できる証言を握る2人は十分に告発人として法廷に立てるが、それには検察当局の承認を要する。現状では、2人は巨額な弁護士料を自己負担し、法廷闘争でも敗訴の公算が高い。

 この国で政府高官の不正を暴露した人物に何が起きるのか。上院の起訴勧告は、汚職根絶に挑む人に冷水を浴びせ、いしゅく効果を起こすことになるだろう。(12日・スター)

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