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法律に弱い警察官たち

2007/6/4 社会

覚せい剤事件敗訴

 この国で法と秩序が守られない理由の一つは、警察官が法や司法手続きを守らず、法的な略式手段にも弱いため、訴訟で負けてしまうことだ。

 控訴裁判所は、首都圏サンフアン町で二〇〇二年一月の覚せい剤密造所手入れに端を発し、危険薬物取締法違反の罪に問われた中国人被告七人に無罪を言い渡した。現場では覚せい剤製造機材や化学品原料、覚せい剤八百十二グラムが押収されていたのだが、被告たちは、違法な逮捕で人権を侵害されたとして、また、捜索が被疑者や訴訟手続法によって規定された権限者の立ち会いなしに行われたと主張した。控訴裁は五月二十二日の判決で、その主張を認め、逆に警察官を叱責するとともに被告七人の釈放を命じた。法廷は、手入れの際、中国人たちが一室に押し込められて捜索に立ち会うのを許されなかったと認定した。バランガイ(最小行政区)役員たちの立ち会いでは法の要件を満たさないとも指摘した。

 民主主義では、犯罪者も被疑者も既決囚も未決囚も憲法によって人権を保障され、正当な法手続きを要求できるのに、大半の警官はこのことを知らない。令状なしの逮捕、自白の強要、黙秘権や弁護士と連絡を取る権利があることを通告しないでの逮捕、法で決められた期間を超えた拘留、「記者会見」と称して容疑者や証拠品を公開することなどが今でも行われている。このような場合、裁判官は、事実誤認を承知の上でもあえて法の側に立ち、訴えを退けて警察を叱責する。

 この国では、法に対する無知、手続きのずさんさ、事件解決の急ぎすぎで敗訴すると「技術的な問題」として片付ける風潮がある。警察はこの病の治療法を見つけ出していない。(31日・タイムズ)

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