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自国のことも反省せよ

2007/3/19 社会

米政府の人権報告書

 米国は自国を棚に上げて、世界中の人権侵害報告を公表した。二〇〇六年の報告書では、アジアでは中国、ミャンマー、北朝鮮、タイ、パキスタンに厳しい評価を下した。ロシア、キューバ、シリア、イランも常連になっている。

 フィリピンについては、国軍、国家警察とその民兵組織による人権侵害を挙げた。ジャーナリストや宗教関係者、政治的活動家の殺害事件をうやむやにしてしまう「罰しない環境」があると描写し、政府の訴追努力によっても事件の解決も処罰もできていないと述べた。

 アロヨ政権はこれに対して「建設的」などと論評したが、中国を筆頭に各国は、米国が二重の基準を適用し、自国が裏で行っている人権侵害を無視していると糾弾した。聖書にいうように、同朋の小さな欠点に目を向けながら、自分の大きな過ちを見逃すのかというわけである。

 米国は、イラクやアフガニスタンで多くのジュネーブ条約違反を犯している。二年前、イラクのアブ・グレイブ刑務所での囚人虐待を写した写真は世界に衝撃を与えた。第二次世界大戦で米兵と共に戦った比人兵は、米退役将兵と同じ恩恵を受けるべきだと主張してきたが、米議会の反応はない。さらに、米国の不法移民への仕打ちは一九七〇年代まで続いた奴隷の時代をほうふつとさせる。

 米国は自由、人権、民主主義を建国の原理としている。政治的、道徳的な暴虐をやめさせるため、世界をリードすべきである。だからこそ、自国の行政機関が自由と文明を損なうことはやめさせねばならない。(13日・タイムズ)

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