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生かされない過去の教訓

2006/8/28 社会

最悪の重油流出事故

 フィリピン史上で最悪とされる重油流出事故により、石油元売会社の最大手、ぺトロンが今、文字通り「油まみれ」に陥っている。事故海域周辺の住民たちに健康被害が広がり、経費が増えれば、この「油まみれ」状態はさらに深刻化する。とはいえ、同社の資金は潤沢で、この事故が命取りになることはない。ひどい被害を受けるのは環境であり、周辺住民たちだ。沈没したタンカー「ソーラー1」が起こした今回の事故から、ペトロンだけでなくこの国の海運業界は教訓を学ぶべきだ。

 海運業界の大手は多くの犠牲者を出した事故を機に、ここ数年で船舶の近代化を進めた。しかし、約七千百の島々から成るこの国では客船、貨物船の事故が後を絶たない。

 無資格者が運航に携わっている例もある。船会社の経営者たちは予算不足を口実に、船舶および施設の近代化に消極的だ。老朽フェリーが穏やかな海で沈没したり、火災を起こしたりする事故がほぼ毎年のように発生している。

 流出事故を起こしたソーラー1の船体は一枚の鋼鉄で造られ、有害物質運搬用船舶に求められる二重構造の国際基準を満たしていなかったという。比の検査ではこの「欠陥船」が簡単に合格してしまう。親会社は否定しているが、ソーラー1の船長は重油運搬の資格を持っていないとされる。同船に重大な欠陥が見つかったにもかかわらず、船長は出港を命じたともされる。

 比では一九八七年にフェリーとタンカーの衝突事故が起き、多くの犠牲者を出したが、この教訓が全く生かされていない。同事故から二十年後の今も、比海運部門は危険がいっぱいだ。被害を受けるのは国民と環境である。(26日・スター)

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