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タイタニック号の乗員の選択 5月の統一選挙を控え

2019/4/26 社会

 統一選挙まで1カ月を切った。私は今、氷河に衝突する運命にあるタイタニック号に乗っているような気持ちだ。氷河の輪郭ははっきり認められ、もはや避けられないかもしれない。静かで冷たく、暗い海が広がっており、大災害の前ぶれを完全に覆い隠している。しかし、人生はこれまで通り続くようだ。

 マルコス時代に思いを馳せると、まず不幸な出来事が脳裏を駆ける。農地闘争や学生運動、共産党とNPAの誕生、エリート間の抗争など。マルコスは 1935年に北イロコス州で父親の政敵を暗殺した容疑で有罪判決を受けた。当時18歳だった若き暗殺者は投獄されたが、上告した最高裁審理で無罪とされた。その無罪判決を書いたのが当時の判事だったホセ・ラウレルだった。この若造は国家に奉仕すべきだとその才能を惜しんだのだろう。マルコスは結局、「中央からの革命」という偽装を使って不正蓄財などするという国の指導者が陥る課題を提示することで、国家に奉仕した。

 エリートたちは国の運命について神を弄ぶ傾向がある。エストラダやアロヨ、エンリレやレビリヤ、ビナイは言うに及ばず、マルコス一家やドゥテルテ一家まで国に対し好き放題している。監獄に送らず始末するというアプローチを取る市長を大統領に選ぶという選択をわれわれはしてしまった。このドゥテルテ・リスクはマルコス時代よりもある意味で致命的だ。マルコス時代は単にフィリピン人同士が争う国内闘争だった。しかし、ドゥテルテ政権は略奪者である中国の侵略に警戒もせず、賓客として受け入れている。中国は関係国を借金漬けにし、西フィリピン海を要塞化し、われわれの首都圏に中国人労働者を大量に送り込む。

今年5月の選挙を控え、われわれタイタニック号は中国という氷河に衝突しようとしている。氷河を避けようとするのか、それともそのまま全速力で突入するのか。それがわれわれの選択だ。(22日・インクワイアラー、セグンド・ロメロ)

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