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警備の落とし穴 カジノ襲撃の教訓

2017/6/4 社会

 その男は背が高く、英語を話す白人とみられていた。自動小銃と拳銃を手に2日夜、カジノ複合施設「リゾート・ワールド・マニラ」の地下駐車場から侵入した。目撃者は証言する。

 「男はバカラ専用のテーブルにガソリンをまいて火を付け、客を追い払った」

 追いかける警備員の銃撃を逃れ、男はホテル5階の一室に立てこもり、毛布をかぶって焼身自殺を図った。その手には自動小銃が握られていたといい、警察によると、拳銃で自殺した可能性も浮上している。男は他人に向けて発砲こそしなかったが、毛布の火は瞬く間に広がり、煙を吸引した37人が死亡した。

 今回のカジノ襲撃事件は、ミンダナオ地方に戒厳令が発令中に起きた。イスラム過激派、マウテ・グループによる脅威は依然として存続しており、ドゥテルテ大統領は戒厳令をフィリピン全土に拡大する可能性に言及していた。

 今後はイスラム武装勢力から注意をそらす陽動作戦も含め、横暴な事件の続発阻止に厳戒態勢が敷かれなければならない。

 過激派組織「イスラム国」(IS)によると、犯人はテロ組織に誘導された単独行動というが、国家警察はテロの可能性を否定した。とはいえ、外国人とみられる男が、自動小銃と拳銃を携行したままカジノ施設内に容易に侵入できた事実は、警備の在り方に大きな懸念を残すこととなった。現場は、マニラ空港第3ターミナルが目の前にある観光スポットなのだ。

 発生直後、今回の事件はテロリストによる襲撃との情報が世界を駆け巡った。結果的に犯人は単なる強盗で、カジノで負けた腹いせによる犯行だった可能性が高いが、テロ攻撃と同程度の損害をこの国にもたらしたと言える。銃規制の強化を皮切りに、治安当局は警備を徹底させるべきだ。(3日・スター)

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