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悪いのは一体誰か

2013/7/8 社会

中国の比人女性処刑

 麻薬密輸罪で死刑判決を言い渡されたフィリピン人女性が中国で処刑された。予想通り、比国内のメディアは「執行決定」のニュースを大きく報じ、ビナイ副大統領は助命のため、中国訪問を試みた。一部の民間団体は今後も、比政府の無策と中国政府の「不正義」を非難し続けることだろう。

 「不正義」との主張は、「悪いのは麻薬密輸を比人女性に依頼した犯罪組織であり、女性自身も犠牲者」との見方に立っている。

 しかし、この主張は、筋違いなナンセンスと言わざるを得ない。なぜなら、処刑された女性は、他人の人生を破滅へ追い込む麻薬を運んでいたことを知っていたはずだ。自身と比国内の家族のためとは言え、多額の成功報酬を約束され、一部を前金として受け取っていたことだろう。過去の事例が示す通り、自らの意志に反して「ハイリスク、ハイリターン」の運び屋になろうとするような比人海外労働者(OFW)はいないのだ。

 中国当局が、薬物密輸事犯に厳刑で対応するのは周知の通り。被告には大抵、死刑が言い渡され、国籍、年齢、性別、人種を問わず、法に沿って処刑されてきた。それ故、西フィリピン海(南シナ海)南沙諸島などの領有権をめぐる比中間の緊張と、今回の処刑を結び付けて、中国を批判するのは間違いだ。

 これまで、多くのOFWが海外で法を犯し、処刑されてきた。比国内で死刑が廃止されたからといって、就労先の国々に同様の対応を期待してはならない。アキノ大統領やビナイ副大統領は、死刑に直面するOFWを救う「白馬の騎士」にはなり得ない。そのようなことが起きるのは映画の中だけで、われわれ比国民は、比人女性の冥福を祈る以外になすすべがなかった。(3日・タイムズ)

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