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発展途上の民主主義

2007/8/27 社会

アキノ暗殺事件に想う

 アキノ元上院議員が米国亡命から帰国直後、マニラ国際空港で凶弾に倒れたのは一九八三年八月二十一日だった。遺体が安置されたケソン市のサントドミンゴ教会からパラニャーケ市の墓地まで、土砂降りの雨にもかかわらず大群衆が沿道を埋め尽くした。翌日の大手三紙はこの葬列を小さく扱い、リサール公園の木に登って葬列を見ていた男性が雷で死亡した記事を大きく扱った。

 マルチメディアからのあり余る情報に困惑している今の若者には、政府が情報を統制した当時の社会に生きた人々の不満を理解できないだろう。   

 暗殺から三年後にピープルパワーが高まり、独裁者のマルコス大統領夫妻を亡命に追い込み、同上院議員の妻、コラソン・アキノ女史が大統領の座に就いた。アキノ上院議員が言ったとされる「フィリピン人のために死ぬ価値はある」という言葉が正しいことが証明されたのだった。

 若者を含めて多くのフィリピン人は現在の行動の自由を当然のことと思っている。悪い記憶は消え去り、マルコス時代の良い側面が評価されるようになってきた。ゴレス下院議員は国の発展のために国家的規律の復活を呼び掛けている。当時、ロック音楽は禁止され、若年層の夜間の外出禁止が支持された。しかし、この規律の時代こそ大規模汚職と最悪の人権侵害を招いた。 

 アキノ暗殺事件から二十四年過ぎた今も問題は残ったままだ。多くの活動家が殺され行方不明になり、選挙の腐敗は相変わらず。政治を私財を肥やす手段と考える輩が減らない。アキノ上院議員はマルコス追放後の困難を預言したが、祖国はまだひ弱で、彼が復活に寄与した民主主義は発展途上にある。(20日・スター アナ・パミントゥアン氏)

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