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タイ料理屋台「センレック」

2004/8/22 社会

50ペソで本場の味を満喫

 マニラ湾沿いを走るパラニャーケ市のコスタルロードとNAIAロードの交差点に、経営再建の途上にあるユニワイドグループの「コスタルモール」がある。外観は普通のモールだが、中に入るとまともに営業しているのは一階部分だけ。通路には靴やVCD、化粧品などの屋台が軒を連ねる。ごみごみした雰囲気がいかにもアジアらしい。

 迷路の中を歩くような気分で百メートルほどある屋台街を抜けると、吹き抜けのホールが現れた。両側には食べ物の屋台が軒を連ね、ビニール袋を抱えた買い物客が陣取っている。その中にタイ料理屋台、「センレック」だ。

 センレックとはタイ語で中細のコメから作っためんのこと。その名の通り、売り物はセンレックを使ったヌードルスープ。他のメニューはタイ風のシューマイと肉まんだけ。ヌードルのトッピングはワンタンと牛肉、ミートボールの三つ。三つとも入った一番高いミックスタイヌードルで五十ペソ。低価格とタイ人オーナーによる本場仕込みの味がここの魅力だ。

 フィリピンでタイ料理というと、他の外国料理と同様、庶民には手の届かない高級料理というイメージがある。しかし、「センレック」は違う。客はバロンタガログを着たサラリーマンからジーンズ姿の学生、短パンにサンダルばきの運転手まで、実にさまざま。昼食時になると九席しかない座席は比人客で次々に埋まり、皆、辛さのあまり額から汗を流しながらめんをほおばっている。

 癖のある独特のスープの香りに食欲をそそられ、試しに四十ペソのビーフタイヌードルを注文した。スープを飲むと、辛さと甘さ、酸っぱさが混ざり合って口内に広がった。かつてバンコクで食べた屋台のヌードルの味そのもの。モヤシやネギ、砕いたピーナッツのバリバリした食感が懐かしい。テーブルに置かれたタイ料理おなじみのプリックポン(粉唐辛子)を加えると、汗がどっと噴き出た。

 タクシー運転手のルイス・グズマンさん(27)は=パラニャーケ市=は常連客。汗をぬぐいながら「この値段なら僕の五千ペソの給料でも手が届く。月に二|三回は来ているかな」と語った。三年前から通っているという日系企業勤務のリー・モンテリアノさん(24)は「値段が安いし、エキゾチックな味が気に入っている。辛さは別に気にならない」と言う。

 辛い物は苦手な比人が多いようだが、オーナーのスワン・ブンチョーさん(42)は「本場タイの味を伝えたい。辛さを抑えて比人に迎合するつもりはない」。モンテンルパ市などのフランチャイズ三店にも「味で妥協するな」と伝えている。

 屋台を営む両親を六歳から助けていたというブンチョーさん。就労先のサウジアラビアで比人女性と知り合い結婚し、一九九一年から比で暮らしている。「お客が残さず食べてくれるとうれしいね。いつかは(ファストフード大手の)ジョリビーのようにしたい」と夢を語った。(湯浅理)

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