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マカティの立体歩道橋

2002/10/13 社会

文字通りの「歩行者天国 」

 フィリピンの商業、金融活動の中枢、マカティ市の中心部を形成するセントラルビジネス地区(CBD)。ここを東西に貫くアヤラ通りなどには計四本の地下道があり、さらにデラロサ通り沿いには全長一・五キロの立体歩道橋が設けられている。大企業本社や金融機関、高級コンドミニアム、ショッピングモールがひしめき合うこの場所で働き、生活する人々にとって文字通りの「歩行者天国」となっている。

 デラロサ通りに沿い、一九九六年から昨年まで総工費三億七千五百万ペソをかけて建設された屋根付き歩道橋はフィリピン最長の歩道橋である。マカティ通りに面したショッピングモール「ランドマーク」の入り口からヘレラ通りまでを結んでいる。

 「車優先社会」のフィリピンでは歩く楽しみが奪われ勝ちだ。このためか、サラリーマン、OL、買い物客など利用者からは「運転マナーの悪い車を気にせずにすむ」「雨の日でも傘をささなくていい」と好評だ。ランドマークからは他のモールとも連結し、買い物には至って便利がいい。

 一方、地下道の全長はそれぞれ約五十メートル。九六年から〇〇年にかけ、アヤラ通りと交差するレガスピ、パセオデロハス、ヘレラの各通り、パセオデロハス通りと交差するセデニョ通りに相次ぎ建設された。

 工費は各八千万ペソ程度。上りのエスカレーターとエアコン付きで、警備員が一人ずつ配置されている。警備の都合上、利用時間は午前六時から午後十時だ。現在、アヤラ、サルセド両通りの交差点の地下道工事が進行中である。

 立体歩道を建設、運営しているのは、CBDを統括管理するマカティ商業地所協会(MACEA、会員数三百八十六)だ。同協会は会員に土地一平方メートル当たり年間四ペソ、床面積には同三ペソの支払いを課しており、ここから開発資金が調達されている。

 「立体歩道では目立った犯罪は起きていない」とMACEAのゼネラルマネージャー、ハイメ・マティアスさん(56)は自負する。実際、歩道をじっくり歩いてみると防犯上の配慮が目に見えてくる。

 露天商など販売活動は一切禁止。爆発物が置かれないよう、ごみ箱がない。公衆電話や自動現金支払い機(ATM)周辺には警備員がにらみをきかせながら巡回していた。

 歩道の床は薄いベージュ色。屋根からは日差しが柔らかく差し込む。「車はやめてちょっと歩いてみようか」という気持ちにさせてくれそうだ。週末には、歩道橋で買い物袋をさげた日本人夫婦らが楽しそうに語らいながら歩いている。

 交通渋滞の緩和を目的として建設された立体歩道橋は、車社会の弊害とも言える運動不足の解消にも一役買っている。(栗田珠希)

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