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フィリピン文化センター

2001/6/3 社会

華やかな「国の顔」

 パサイ市ロハス大通りからマニラ湾側へ西へ入ると一〇〇ヘクタールを超える「フィリピン文化センター(CCP)」の敷地が広がる。大ヒットしたミュージカル「ミス・サイゴン」が上演された劇場や外交舞台となるフィリピン国際会議場(PICC)などが建ち並ぶ華やかな「フィリピンの顔」となっている。

 その中核施設のPICCではフィリピンで行われる国際会議の大半が開催されている。文字通りフィリピンの国際社会への「窓口」である。

 三方を海に囲まれた敷地内に歩を踏み入れると、ジプニー、バスなどが醸し出す大通りのけたたましい騒音と排気ガスの世界は一変する。緑に囲まれ人通りもまばら。休日は親子連れでにぎわい、夜は若いカップルのデートコースとなる。外国の要人が集う場所だけに、管理者の国は警備の充実や景観保全に力を注いできた。違法占拠者は厳しく取り締まられている。

 CCPは、一九七六年のマルコス時代にマニラ湾を埋め立てて造成された。フィリピン随一の会議場とされるPICCは、四千人収容できるメインホールをはじめ、大中小の計十四の会議場を有する。九六年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で橋本龍太郎元首相が訪れ、九九年の東南アジア諸国連合(ASEAN)拡大首脳会議に出席した故小渕恵三元首相にとってはアジア外交での最後のひのき舞台となった。

 こんなPICCが、イメージチェンジを図りつつある。海外ミュージシャンやクラッシックコンサートなどイベントを実施、親しみやすさを前面に出し利用者数増加を目指している。

 きっかけとなったのは、今年二月二十二日に発生した火災。使用不能になった会議場が多く、利用者が減少したことから苦肉の策に出たようだ。CCP敷地内には音楽、演劇など文化イベントの殿堂であるCCP大劇場があり、強力なライバル出現となった。しかし、火災で一部が崩れ落ちた建物の復旧は進んでおらず現在も生々しい傷跡を残したままだ。

 九九年末に香港からえい航された水上レストラン「マニラ・ジャンボ・パレス」も名物の一つ。しかし、エストラダ前政権下、相次ぐ公営賭博(とばく)施設開設が論議となり、「カジノレストラン開設か」との疑惑が浮上。今も営業されず放置されたままだ。違法賭博疑惑の発覚が発端となり退陣に追い込まれた前大統領の負の遺産だ。

 だが、静かな敷地内は市民の貴重な憩いの場となっている。(浅田光博)

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