日比経済連携協定(JPEPA)に基づくフィリピン人看護師・介護福祉士候補者の第17期、計218人(看護師19人、介護福祉士199人)の比国内における6カ月間の日本語予備教育事業の修了式が22日、オンライン形式で行われた。今期は、対面式とオンライン式の二方式で日本語予備教育が行われた。修了式では、国際交流基金マニラ日本文化センター(JFM)の鈴木勉所長、公益社団法人国際厚生事業団の片岡佳和専務理事、遠藤和也駐比日本国大使、移民労働者省(DMW)のレビンソン・アルカンタラ大臣補佐官、 Nihongo Center Foundation (NCF) のジョセフ・カルロ・オリリオ EPA講師長らが修了生に祝辞を送った。
また、対面式クラスではレイナローズ・ギナさん、オンライン式クラスではウェンナ・メイ・ヴァリエホさんが、第17期候補者の代表として、しっかりした、そして聞きやすい日本語と同内容の英語でスピーチを行った。対面式クラスのグイナさんにインタビューしたところ、長いあいだ日本人を対象としたオンラインスクールで英語の教師をしていたことや、日本のアニメが好きなこともあって、日本に強い興味を持ち、自身が介護福祉士候補者としての応募要件を満たしていることから応募するにいたった。日本での日本語教育修了後の配属先は、茨城県古河市であることは教えてもらって知っている、と明るく落ち着いて語ってくれた。
▽来日後の看護師候補者と介護福祉士候補者の滞在枠組み
候補生たちは、6月に日本へ渡り、更に6カ月間の集中的な日本語教育を受けた後、日本各地の病院や介護福祉施設などの配属先で実務にあたりながら、それぞれの国家資格試験合格を目指して学習を継続することになる。
「看護師候補者」は、3年目までの国家資格試験に失敗した場合、一定の条件を満たした候補者については、もう1年猶予が与えられ4年目まで合格を目指すことができる。(滞在中に最大4回の国家資格の受験機会)「介護福祉士候補者」は、4年目に国家資格試験に挑戦することになるが、国家資格試験に失敗した場合、一定の条件を満たした候補者については、もう1年猶予が与えられ5年目まで合格を目指すことができる。(滞在中に最大2回の国家資格の受験機会)
しかし、合格に至らなかった場合には規定に従い、フィリピンに帰国することになる。
▽これまでの看護師・介護福祉士候補者の受け入れ
経済連携協定による看護師・介護福祉士候補者の受け入れは、2008年からインドネシア、09年からフィリピン、14年からベトナムからそれぞれ受入が開始され現在に至っている。
厚生労働省の資料によると、23年までにフィリピンから日本へ送り出された看護師候補者は682人、介護福祉士候補者は2932人にのぼる。(青柳一臣)