Logo

05 日 マニラ

本日休刊日

両替レート
¥10,000=P3,922
$100=P5,784

05 日 マニラ

本日休刊日

両替レート
¥10,000=P3,922
$100=P5,784

ハロハロ

2012/10/15 文化・スポーツ

 世界のどの街へ行っても、時間があれば、何となく訪れる場所がある。博物館と書店だ。とりわけ、裏通りの古本屋めぐりが楽しい。古書が醸し出す、あの独特の香りに包まれ、古ぼけた表紙を見ながら、面白そうな本を気ままに手に取る。時間の流れが止まり、気が付くと、2時間も経っていた。そんな経験がままある。フィリピンに来る前に、しばらく過ごしたメキシコやキューバでも、本屋通いをした。キューバでは、ハバナ大学から下宿に帰る途中、カリブ海を臨む坂道に、行きつけの古本屋ができた。

     ◇

 その古本屋には、歴史書のおびただしい在庫があった。ほとんどの本は店舗裏にある倉庫の高い天井に届くほど、野放図に山積みされていた。目当ての書籍は、店主に探してもらうほかない。2、3日たって行くと「やっと、見つけましたぜ」と、強欲な店主は本探しの苦労をひとくさり。次いで、希少本だと言って、平均月収20ドルのキューバ人が聞いたら、目の玉が飛び出るような値段をふっかけてくる。時間はたっぷりある。値下げ交渉を延々と続け、折り合いのついた本は買った。そんな古書がいま、自宅の書棚でほこりをかぶっている。

     ◇

 残念ながら、マニラでは本屋通いの趣味がかなわない。何しろ、本屋の数が少ないし、ベストセラーを除けば、品揃えも貧しい。試しにと、名門サント・トマス大学の書籍部と、フィリピン大学ディリマン校内の書店をのぞいてみた。

 やはり、食指が動く本は少なかった。聞くと、学生たちは教科書も参考書も、図書館から借り出し、まるごとコピーして読むのだという。これでは、本は売れない。出版文化も育たない。マニラは愛書家には、ちょっと寂しい街である。(竹)

おすすめ記事

比社会に勇気と共感を 医療・教育現場で広がる演劇教育

2025/9/24 文化・スポーツ 有料
有料

比男子チームが準優勝 ASEAN剣道大会、シンガポール

2025/9/19 文化・スポーツ 有料
有料

敗退も、ホームのような熱狂 世界男子バレー、日本2戦目

2025/9/16 文化・スポーツ 有料
有料

日本、初戦は黒星 トルコに0―3、世界男子バレー

2025/9/15 文化・スポーツ 有料
有料

比代表チームが初出場 バレー男子世界選手権開幕

2025/9/13 文化・スポーツ 有料
有料

神戸親和大学が2位 比プロ女子バレー大会

2025/9/3 文化・スポーツ 有料
有料