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広がる停電懸念

2010/2/8 社会

未解決の電力不足問題

 計画停電が首都圏を含むルソン地方に戻ってきた。電力危機でビサヤ地方の経済活動が停滞し、ミンダナオ地方への投資が冷え込む恐れも出てきた。

 先日、財界団体代表が、今年は乾期に入るとエルニーニョーの影響によりこれまで以上に暑い夏を迎え、さらに停電が頻発すると警告した。ダムの貯水量が例年以上に渇水状態となり発電量が低下するためだ。5月の統一選での電力供給に支障が出るという懸念も高まっている。中央選管などは自動投票用紙読み取り機には発電機が用意されており、停電になっても作業は続行できると断言しているが、投票や集計時間中に停電が起きないよう、配電会社は最善を尽くし、中央選管も非常事態に備えるべきだ。

 しかし、フィリピンの電力危機問題は単なる季節的な問題ではなく、途上国の電力需要量予想に失敗した結果であり、電力問題を軽視し続けたつけなのである。

 マルコス政権は電力危機に原子力発電所建設で対応しようとした。アキノ政権が原子力発電計画を撤廃するまでにマルコスは8千万ドルのわいろで私服を肥やした。1986年のアキノ政変以降には電力事情はほとんど改善せず、91年暮れから92年にかけて毎日8時間から12時間の停電に見舞われた。

 ラモス政権は電力事情の改善を急いだが、同時に電力料金の急騰を招いた。この国では電力料金は政治に左右され、新規投資呼び込みなどの阻害要因になっている。今や国家電力公社の発電施設の81%がすでに民営化されたが、電力供給量はわずかに増加したに過ぎない。

 不十分な電力供給に加え電気料金は日本に次いでアジアで最も高い。安定した電力供給態勢の確立が次期大統領に求められる。(6日・スター)

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